クレスコは25年3月期2Q累計大幅増収増益と順調、通期も増収増益予想
- 2024/11/7 09:25
- 決算発表記事情報
(決算速報)
クレスコ<4674>(東証プライム)は11月6日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。全体として受注が好調に推移し、前年の不採算プロジェクトの影響が一巡したため大幅増収増益だった。そして通期も増収増益予想としている。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、好業績を評価して反発を期待したい。
■25年3月期2Q累計大幅増収増益と順調、通期増収増益予想据え置き
25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比11.2%増の285億06百万円、営業利益が31.9%増の26億08百万円、経常利益が13.3%増の27億63百万円、そして親会社株主帰属四半期(中間期)純利益が12.8%増の18億79百万円だった。
全体として受注が好調に推移し、前年の不採算プロジェクトの影響が一巡したため大幅増収増益だった。営業外収益ではデリバティブ評価益が2億36百万円減少、特別利益では投資有価証券償還益が71百万円減少した。
ITサービス事業は売上高が12.2%増の264億94百万円、営業利益(全社費用等調整前)が28.3%増の35億25百万円だった。
このうちエンタープライズは売上高が8.5%増の106億26百万円、営業利益が18.0%増の10億93百万円だった。増収増益だった。建設・不動産分野や人材紹介・人材派遣分野の受注が落ち込んだものの、情報・通信・広告分野や運輸分野の受注が伸長したことに加え、前年の不採算プロジェクトの影響が一巡した。
金融は売上高が20.0%増の84億36百万円、営業利益が59.9%増の11億52百万円だった。大幅増収増益だった。銀行分野の受注が好調に推移し、ジェット・テクノロジーズの新規連結も寄与した。利益面は前期の不採算プロジェクトの影響が一巡したことも寄与した。
製造は売上高が9.5%増の74億31百万円、営業利益が16.3%増の12億79百万円だった。増収増益だった。機械・エレクトロニクス分野の受注が伸び悩んだものの、自動車・輸送機器分野やその他分野の受注が増加し、ジェット・テクノロジーズの新規連結も寄与した。
デジタルソリューション事業は売上高が0.7%減の20億12百万円、営業利益が9.2%減の82百万円だった。減収減益だった。前年の大型ライセンス販売の反動に加え、組織体制見直しに伴う売上原価の増加も影響した。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が137億58百万円で営業利益が8億70百万円、第2四半期は売上高が147億48百万円で営業利益が17億38百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比10.9%増の585億円、営業利益が15.2%増の59億円、経常利益が6.0%増の60億円、親会社株主帰属当期純利益が7.3%増の40億円としている。配当予想は38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。24年7月1日付株式2分割を遡及修正すると24年3月期(年間26円)比12円増配の形となる。連続増配で予想配当性向は39.2%となる。
受注が堅調に推移し、前期の不採算案件発生の影響一巡、生産性向上効果なども寄与して増収増益予想、そして連続増配予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高49%、営業利益44%、経常利益46%、当期純利益47%である。受注環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は反発期待
株価は戻り高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、好業績を評価して反発を期待したい。11月6日の終値は1213円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円05銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1343円78銭を株式2分割後に換算した671円89銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約534億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)