建設技術研究所は24年12月期3Q累計減益も売上面は順調、株式分割で投資家層拡大へ

(決算速報)
 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は11月12日に24年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。販管費増加等で減益だが売上面は順調だった。そして通期小幅減益予想を据え置いた。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。なお株式分割(効力発生日25年1月1日で1株を2株に分割)を発表した。株価は上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。株式分割を評価して出直りを期待したい。

■24年12月期3Q累計減益、通期小幅減益予想据え置き

 24年12月期第3四半期累計(1月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%増の721億97百万円、営業利益が11.0%減の74億19百万円、経常利益が12.1%減の74億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.0%減の52億66百万円だった。販管費増加等で減益だが売上面は順調だった。グループ全体の受注高は0.5%増の772億28百万円だった。

 なおセグメント別(セグメント間取引消去前)に見ると、国内建設コンサルティング事業は売上高が2.6%増の494億04百万円で営業利益が10.0%減の69億34百万円、海外建設コンサルティング事業は売上高が8.8%増の228億43百万円で営業利益が24.2%減の4億78百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高291億89百万円で営業利益61億07百万円、第2四半期は売上高215億57百万円で営業利益6億82百万円、第3四半期は売上高214億51百万円で営業利益5億66百万円だった。

 通期連結業績予想(8月13日付で上方修正)は据え置いて売上高が23年12月期比4.2%増の970億円、営業利益が4.1%減の96億円、経常利益が4.5%減の97億円、親会社株主帰属当期純利益が8.4%減の69億円としている。配当予想も据え置いて23年12月期と同額の150円(期末一括)としている。予想配当性向は30.2%となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高74%、営業利益77%、経常利益77%、親会社株主帰属当期純利益76%である。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は上値を切り下げる形だが、一方では下値固め完了感を強めている。株式分割を評価して出直りを期待したい。11月12日の終値は4750円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS497円30銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の150円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3958円89銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約673億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  2. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…
  3. ■なでしこ銘柄やフェムテック関連株が上昇の兆し  石破内閣発足に伴い、女性活躍推進関連銘柄が注目を…
  4. ■政局混迷が招く株価乱高下、市場の先行き不透明感強まる  「政治の一寸先は闇」といわれる。しかし相…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る