■セブンとファミマの協業視野、ローソンとの差拡大も
セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東証プライム)は11月13日、同社代表取締役副社長の伊藤順朗氏及び伊藤興業から非公開化を含む買収提案を受けていることを公表した。特別委員会は、アリマンタシォン・クシュタール社からの提案も含め、慎重に検討を進めている。
買収資金は総額9兆円規模となる見込みであり、創業家及び伊藤忠商事<8001>(東証プライム)が約3兆円を出資、三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)などメガバンク3行が6兆円規模の融資を検討しているとの報道もある。伊藤順朗氏は、この案件に関する取締役会での審議からは除外されている。
同件は、コンビニ業界の勢力図を大きく変える可能性を秘めており、セブン‐イレブンとファミリーマートの協業が実現することがあれば、商品企画や物流の効率化に加え、デジタル経済圏の共有による相乗効果が期待できる。専門家は、これによりローソンとの差を広げる可能性を指摘している。
国内コンビニ業界は人口減少により店舗数が飽和状態にある中、各社が新たな成長戦略を模索している。ローソンはKDDI<9433>(東証プライム)との連携で通信事業との融合を目指し、ファミリーマートは伊藤忠の強みを活かした商品開発で成長を図っている。セブンのMBO構想は、アリマンタシォン・クシュタール社からの買収提案への対抗策との見方もある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)