イノベーションホールディングスは25年3月期2Q累計が計画超で通期利益を上方修正、店舗転貸借事業が奏功

(決算速報)
 イノベーションホールディングス<3484>(東証プライム)(24年10月1日付で旧テンポイノベーションが持株会社体制に移行して商号をイノベーションホールディングスに変更)は、11月13日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。計画超の大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において物件の収益率が想定を上回ったことなどが寄与した。そして通期の利益予想を上方修正し、前回の減益予想から一転して大幅増益予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻りが鈍くモミ合う形だが、利益予想の上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期2Q累計が計画超、通期利益上方修正して一転大幅増益予想

 11月13日発表した25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比16.8%増の82億88百万円、営業利益が30.1%増の6億84百万円、経常利益が24.9%増の6億98百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が23.2%増の4億69百万円だった。

 計画超の大幅増収増益だった。前回予想(24年5月13日付公表の期初計画値)に対して売上高は2億22百万円、営業利益は2億50百万円、経常利益は2億46百万円、純利益は1億58百万円、それぞれ上回った。店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加したほか、物件の収益率が想定を上回ったこと、先行仕入物件に対する空家賃コストや販管費が想定を下回ったことなども寄与した。また不動産売買事業の売上も想定を上回った。なお持株会社体制への移行に伴って各報告セグメントの費用の配分方法を変更している。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が10.3%増の73億05百万円、営業利益が34.1%増の5億67百万円だった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して、店舗物件の積極的な仕入を推進した。転貸借契約件数(新規契約件数+後継付け件数)は217件で前年同期比7.3%減少したものの、期末時点の転貸借物件数は24年3月期末比100件純増して2545件となった。営業組織の構造改革途上(一気通貫型から業務別分業型への体制変更、採用・教育の強化など)のため成約件数が減少したものの、転貸借物件数は順調に積み上がっている。

 不動産売買事業は売上高が108.0%増の9億83百万円、営業利益が13.7%増の1億16百万円だった。3物件を売却、6物件を取得して期末時点の保有物件数は7件となった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が37億88百万円で営業利益が2億71百万円、第2四半期は売上高が45億円で営業利益が4億13百万円だった。

 通期の連結業績予想については11月13日付で売上高を下方修正、各利益を上方修正して、売上高が24年3月期比16.8%増の166億57百万円、営業利益が26.1%増の12億28百万円、経常利益が23.6%増の12億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が24.9%増の8億32百万円としている。配当予想は据え置いて24年3月期比1円増配の21円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は42.5%となる。

 前回予想(24年5月13日付公表の期初計画値)に対して、売上高を1億83百万円下方修正したが、各利益は営業利益を3億21百万円、経常利益を3億08百万円、純利益を2億02百万円それぞれ上方修正して、前回の減益予想から一転して大幅増益予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は戻りが鈍くモミ合う形だが、利益予想の上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。11月13日の終値は936円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円42銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の21円で算出)は約2.2%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS197円73銭で算出)は約4.7倍、そして時価総額は約165億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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