【どう見るこの株】第四北越FGは通期業績上方修正・連続増配見直しを長期金利上昇が支援し反発

どう見るこの株

 第四北越フィナンシャルグループ<7327>(東証プライム)は、前日14日に29円高の2705円と3営業日ぶりに反発して引け、今年11月8日につけた株式分割権利落ち高値2812円を射程圏に捉えた。同行は、11月8日に今2025年3月期通期業績の今期2度目となる上方修正と増配を発表しており、これを見直してバリュー株買いが再燃した。またこの日の債券市場で、新発10年物国債利回りが1.005%と3カ月半ぶりの高水準に上昇したことも、さらに業績押し上げるとしてフォローの材料視されている。

■市場金利上昇で貸出金利息など資金利益が好調に推移

 同社の今2025年3月期業績は、今年7月に今期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計業績を上方修正し、その2Q決算発表時にさらに3月期通期業績を上方修正した。経常利益を期初予想より24億円、純利益を20億円それぞれ引き上げ、経常利益は356億円(前期比15.3%増)、純利益は250億円(同17.9%増)と連続増益率の拡大を見込んでいる。グループ一体でのコンサルティング機能の発揮により非金利収益が好調に推移し、市場金利の上昇で貸出金利息や有価証券利息配当金などの資金利益が期初予想を上回り、経費や信用コストが期初予想を下回ったことが要因となった。

 配当は、今年7月の2Q累計業績の上方修正・株式分割(1株を2株の分割・基準日9月30日)とともに株主還元方針を変更して期初予想の160円から180円(中間配当90円、株式分割後の期末配当45円)に増配したが、3月通期業績の上方修正とともにさらに株主還元方針を見直し配当性向を35%から40%に引き上げ、2Q配当を112円、期末配当を45円から56円に引き上げ、株式分割権利落ち前に換算すると年間224円に連続増配を予定している。なお国内長期金利の上昇は、米国でトランプ次期政権による減税などでインフレが再燃する懸念から長期金利が上昇し、為替が1ドル=156円台に円安・ドル高に進み、これによる国内物価上昇を回避するために、日本銀行が今年12月18日、19日に開催予定の金融政策決定会合で政策金利引き上げを迫られることを先取りしているもので、さらに利ザヤが拡大し同行の業績再上ぶれ・一段の株主還元策への期待につながっている。

■PER9倍、PBR0.4倍、配当利回り4%の修正で分割権利落ち後高値抜けから一段高

 株価は、7月の2Q累計業績の上方修正、増配、株式分割を歓迎して分割権利取りも加わって上場来高値6130円まで急騰し、8月の全般相場急落に巻き込まれて4270円まで調整し4850円で株式分割の権利を落とした。権利落ち後は権利落ち後安値2336円から3月通期業績の上方修正・増配で落ち後高値2812円まで買い進まれ、高値もみ合いを続けてきた。PERは9.4倍、PBRは0.47倍、年間配当利回りは4.14%と割安であり、分割権利落ち後高値2812円から分割権利落ち埋めの一段高に進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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