【株式市場特集】インバウンド関連株に注目、電鉄株が好材料で急騰
- 2024/11/18 08:11
- 株式投資News
■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況
トランプ次期大統領の影響を受けない純内需型のインバウンド関連株が注目を集めている。資生堂<4911>(東証プライム)やコーセー<4922>(東証プライム)など一部銘柄で業績下方修正が相次ぐ中、京王電鉄<9008>(東証プライム)と京阪ホールディングス<9045>(東証プライム)は業績上方修正・増配・自己株式取得の発表により急騰した。為替動向は不透明であるものの、日本政府・日本銀行による円買い介入の可能性や、金利上昇による円安進行で、円安メリット株への投資機会が広がっている。
■業績上方修正だらけの電鉄株はダブルセットの割安銘柄も多数
電鉄株では、京王電鉄、京阪HDと並んで今3月期業績を上方修正した銘柄が相次いだ。このうち前週末15日現在のPER評価で、東証プライム市場の全銘柄平均PER15.56倍を下回っている割り負け株をコード番号順にあげると次の通りとなる。東武鉄道<9001>(東証プライム)、相鉄ホールディングス<9003>(東証プライム)、東急<9005>(東証プライム)、小田急電鉄<9007>(東証プライム)、東海旅客鉄道<JR東海、9022>(東証プライム)、西武ホールディングス<9024>(東証プライム)、西日本鉄道<9031>(東証プライム)、近鉄グループホールディングス<9041>(東証プライム)、南海電気鉄道<9044>(東証プライム)、名古屋鉄道<9048>(東証プライム)と続く。
このうち東武鉄道は業績上方修正と増配、東急、名古屋鉄道は業績上方修正と自己株式取得のダブルセット銘柄となる。また業績の上方修正はないが西日本旅客鉄道<JR西日本、9021>(東証プライム)は、増配と自己株式消却、京成電鉄<9009>(東証プライム)は、株式分割とイオン<8267>(東証プライム)との資本業務提携締結のダブルセット銘柄となっている。
■割安ホテル株、テーマパーク株、リユース株など戦列再復帰にスタンバイ
電鉄株の業績上方修正は人流回復による輸送人員の増加と系列ホテルへのインバウンド需要が大きな要因となっている。業績を上方修正したホテル株も、インバウンド関連銘柄の一角として注目される。今3月期業績の上方修正と増配を発表して年初来高値を更新したリゾートトラスト<4681>(東証プライム)、業績上方修正の東京会館<9701>(東証スタンダード)、増配発表のABホテル<6565>(東証スタンダード)のほか、割安ホテル株のポラリス・ホールディングス<3010>(東証スタンダード)、ワシントンホテル<4691>(東証スタンダード)、グリーンズ<6547>(東証スタンダード)、共立メンテナンス<9616>(東証プライム)、グリーンランドリゾート<9656>(東証スタンダード)、ホテル、ニューグランド<9720>(東証スタンダード)、藤田観光<9722>(東証プライム)なども要注目となる。ホテル向けのスチュワード事業展開のCCSホールディングス<2304>(東証スタンダード)も、今9月期業績は続伸予想にあり外せない。
テーマパーク関連でも、伊豆シャボテンリゾート<6819>(東証スタンダード)とサンリオ<8136>(東証プライム)が、業績上方修正組である。高額商品・宝飾品関連の百貨店株は、インバウンド需要の頭打ち感を示唆する銘柄が少なくないが、そのなかで三越伊勢丹<3099>(東証プライム)は、好調持続と別格で株価も割安である。宝飾品・ブランド品のリユース関連でもインバウンド需要は根強く続いており、割安株のコメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)、トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、BuySell Technologies<7685>(東証グロース)などに見直し余地がある。同じく100円ショップ株で業績を上方修正したワッツ<2735>(東証スタンダード)、セリア<2782>(東証スタンダード)も関連株人気の波及が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)