ホンダ、全固体電池量産へ前進、2025年稼働のパイロットライン初公開

■2020年代後半の電動モデルへの搭載目指す

 ホンダ<7267>(東証プライム)は、独自開発を進めている全固体電池のパイロットラインを栃木県さくら市に初公開した。このパイロットラインは、同社が2020年代後半の量産化を目指して建設したもので、バッテリーセルの仕様検証や量産プロセスの確立を進める拠点となる。延床面積約2万7400平方メートルを誇る施設は、電極材の加工からセルおよびモジュールの組み立てまで一貫して行える設備を備えており、2025年1月の稼働開始を予定しており、2020年代後半の電動モデルへの搭載を目指している。

 本田技術研究所(栃木Sakura)の新ラインは、従来のリチウムイオン電池製造技術を活かしつつ、全固体電池特有の工程である固体電解質の加工技術を新たに採用している。特に、ロールプレス方式を導入することで、電極界面の密着性を高めつつ高速生産を実現。さらに正極と負極の一体化を図り、製造時間とコストを大幅に削減している。これらの改良により、EVの航続距離向上やコスト競争力を確保し、ホンダは四輪車だけでなく二輪車や航空機への応用を視野に入れている。

 ホンダは2040年までにEVと燃料電池車の販売比率を100%とし、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げている。全固体電池は高いエネルギー密度と耐久性を備え、EVの性能進化に寄与する次世代技術として期待されている。新ラインの立ち上げはその鍵となり、量産化への道筋を切り開くものだ。大津啓司社長は「この技術はEV時代におけるゲームチェンジャーであり、ホンダの新たな価値創造を支える」と述べた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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