シナネンHD、グループ会社のシナネンモビリティPLUSが香川県小豆島町などと共同でAI自動運転ボート航行実証を開始

■20年先の小豆島をつくるプロジェクト

 シナネンホールディングス(シナネンHD)<8132>(東証プライム)は22日、子会社のシナネンモビリティPLUSが香川県小豆島町、一般社団法人小豆島・瀬戸内エリアマネジメント協会、株式会社JTB、株式会社エイトノットと共同で、船の制御や障害物の検知を自動で行い船員をサポートするAI自動運転ボートの航行実証(以下、同実証)を11月22日(金)から開始すると発表した。AI自動運転ボートは高度な操船技術を必要とせず、陸上の交通状況にも左右されないことから、島民や観光客の新たな交通手段として期待されている。既存の路線バスやシェアサイクルといった二次交通・三次交通を組み合わせた多様な移動手段を実現。オーバーツーリズムの課題解決と合わせて、瀬戸内の景観美を楽しみながら移動できる新しい島内周遊の実現を目指す。

■航行実証の背景と目的

 瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、二十四の瞳映画村や紅葉が美しい寒霞渓など、豊かな観光資源に恵まれている。さらに、小豆島(土庄町・小豆島町)は2024年版「グリーン・デスティネーションズ アワード」でシルバーアワードを受賞し、世界的にも持続可能な観光地として注目されている。しかし、島内の公共交通機関は十分とは言えず、タクシーは約30台、路線バスは場所によっては1時間に1本程度しかない。特に繁忙期やイベント時には、観光客の増加による公共交通機関の混雑や、島唯一の国道も島外からの車の流入によって交通渋滞が発生するなど、オーバーツーリズムが課題となっている。また、少子高齢化による年齢構成の偏りや人口減少により、運転手などの働き手不足も深刻な問題である。これらの課題に対応するため、「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」の第三弾として、AIを搭載した自動運転ボートを活用した航行実証を行い、将来的な実装を目指す。高度な操船技術を必要としないこのボートによる海上ルートと、既存の路線バスやシェアサイクルを組み合わせることで、新しい小豆島の周遊ルートの実現を目指す。これにより、魅力的な島旅を提供するとともに、オーバーツーリズムの課題解決にも寄与するとしている。

■航行実証の概要
・実施期間:11月22日(金)~11月30日(土)1日2便
※今回参加者の一般募集は行わない。島内の観光事業者、学生などが乗船する。
使用船舶:船名「ルミナス21」旅客定員12名(重量10トン・全長11.88m)
※同実証では事業許可を保有した運航事業者の船員が運航する。

■今回実証するルート
1.エンジェルロード~三都半島 神浦
2.三都半島 神浦~道の駅小豆島ふるさと村
3.道の駅小豆島ふるさと村~エンジェルロード
4.オリーブナビ桟橋~二十四の瞳映画村
(※上記実施期間外で実証)

■「20年先の小豆島をつくるプロジェクト」について
 地域行政や事業者との共創、自主事業の開発を通じて観光地の実感価値向上と持続可能な発展を目指す「エリア開発事業」を瀬戸内海の中心地、小豆島で開始した。

 小豆島は宿泊施設の老朽化やキャパシティ不足、飲食店の不足、二次交通の脆弱性といった要因により、来島者の約7割が島内に宿泊しておらず、経済効果が極めて限定的となっている。第一弾として、2024年8月1日(木)より、IoTを搭載した最新式のシェアサイクル専用車両160台を導入し、島内のサイクルステーションを拡大することで、来島者の利便性向上と島内の周遊促進を図っている。また、第二弾として、アクセルやハンドルを自動で制御してドライバーをサポートする「レベル2」の段階での自動運転バスの走行実証を9月12日(木)~9月17日(火)に実施した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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