【マーケットセンサー】ブラックフライデーから見るアパレル市場の行方

■猛暑から一転、冬の訪れが株価に与える影響

 11月20日の決算発表を境に、エヌビディアなど半導体関連株が急反落し、これまで市場を牽引してきた半導体セクターに調整の兆しが見え始めた。これに対し、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われる流れが米国市場で台頭し、東京市場にも波及すると予想される。特に、厳冬の訪れを前に「天気敏感株」と呼ばれるアパレル株や暖房機器株、ホームセンター株、除雪関連株などが注目を集めている。割安銘柄を慎重に選び投資することが、新たな収益機会を生む鍵となりそうだ。

 アパレル株の動向において注目される材料の一つが、ブラックフライデーと11月の月次売上高である。米国市場に先駆けてスタートした日本のブラックフライデーは、リアル店舗やオンライン通販で賑わいを見せており、消費者心理の回復が期待される。また、10月は猛暑の影響で秋冬物が振るわなかったが、気温の低下が11月の販売にどう反映されるかが重要な焦点となる。特にアダストリア<2685>(東証プライム)やしまむら<8227>(東証プライム)、青山商事<8219>(東証プライム)などの銘柄が注目されており、青山商事は業績上方修正と増配により株価が上昇する一方、配当利回りは依然として高水準を維持している。このような割安で高配当の銘柄が、投資家にとって魅力的な選択肢となるだろう。

 アパレル株に加え、厳冬を見据えた暖房機器や除雪商品の需要増加が、ホームセンター株を刺激している。例えば、コーナン商事<7516>(東証プライム)やアークランズ<9842>(東証プライム)などはPER(株価収益率)が1倍以下と評価が割安な状況にあり、他にもコメリ<8218>(東証プライム)やダイニチ工業<5951>(東証スタンダード)といった企業が投資対象として浮上している。また、除雪用ショベルを展開する浅香工業<5962>(東証スタンダード)なども低PER・低PBR(株価純資産倍率)で割安放置されており、注目に値する。これらのセクターは厳冬という季節的要因を背景に、短期的な反発だけでなく中長期的な成長の可能性も秘めていると言える。

【ブラックフライデー:世界を席巻するショッピング祭】

 ブラックフライデーは、アメリカ発祥の大規模セールイベント。感謝祭の翌日の金曜日に行われ、家電製品や衣料品など、さまざまな商品が大幅に割引される。この名称は、1950年代にフィラデルフィアで、感謝祭翌日の混雑と店舗の黒字化を表現するために使われ始めた。近年では、日本を含む世界各国に広がり、年末商戦の幕開けを告げる重要なイベントとなっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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