【どう見るこの株】ジャノメは2QV字回復業績に2025年干支関連人気がオン
- 2024/12/6 13:05
- どう見るこの株
ジャノメ<6445>(東証プライム)は、今年11月8日に発表した今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計業績のV字回復着地を手掛かりに割安修正期待の打診買いが入っている。また来年2025年の干支が「巳(み)」歳となることから、商号変更前の社名「蛇の目ミシン工業」に「蛇」が含まれ、干支と関連があることも、話題性のある株価材料として買い評価されている。
■インドなどアジアに販路を拡大し国内も販売代理店支援を強化
同社の今期2Q累計業績は、売り上げ179億8100万円(前年同期比2.5%増)、営業利益9億1000万円(同3.25倍)、経常利益7億4500万円(同90.0%増)、純利益7億7600万円(前年同期は3100万円の黒字)とV字回復した。産業用機器事業は、産業用ロボットメーカー向けのダイカスト製品などの需要減少で伸び悩み、IT関連事業も減収減益となったが、家庭用機器事業では、家庭用ミシンの販路をインドなどアジア地域に拡大し、国内でもイベントやワークショップにより普及促進と販売代理店支援を強化したことにより売り上げが142億2400万円(同9.0%増)、営業利益が9億3100万円(前年同期は5400万円の赤字)となり、為替レートが期初予想より円安・ドル高で推移したことなどが要因となった。
今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ400億円(前期比9.7%増)、営業利益25億円(同45.6%増)、経常利益24億円(同36.1%増)、純利益15億円(同32.6%増)と見込んでいる。配当は、総還元性向30%を目安とする配当方針に基づき年間40円(前期実績25円)に増配を予定し、取得株式数を65万株(発行済み株式総数の5%)、取得総額を5億円とする自己株式取得も推進中である。なお来年の干支「巳」は、相場格言では「辰巳天井」とされ、この「天井」は天井打ちでなく高値圏推移が続くとされている。2021年10月に創業100周年を迎えたことを契機に「蛇の目ミシン工業」から現社名の「ジャノメ」に商号変更し、上場会社では希有の干支関連の社名を持つ会社であり、折に触れ話題となり株価材料に浮上する展開も期待される。
■PER1倍、PBR0.5倍、配当利回り3.9%の修正で年初来高値奪回に再発進
株価は、今年8月の全般急落相場下で年初来安値566円と売られたが、今期第1四半期業績の黒字転換と増配でストップ高を交えて922円まで上値を追い、その後の安値885円からは今期2Q業績のV字回復、自己株式取得発表では年初来高値1220円まで買い進まれた。足元では25日移動平均線で下値を確認する動きが続いているが、PERは12.4倍、PBRは0.54倍、年間配当利回りは3.92%と割安である。年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)