テクノフレックス<3449>(東証スタンダード)は、前日10日に3円安の1115円と3営業日ぶりに小反落して引けた。4月11日につけた年初来高値1195円に肉薄してきただけに、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ5日移動平均線はキープしており、12月期期末接近とともに同社の年間54円と高水準を維持している今期配当の権利取りの押し目買いも交錯した。今年11月13日に発表した今2024年12月期第3四半期(2024年1月~9月期、3Q)の大幅増収増益転換業績もサポート材料として意識され、今年11月29日に半導体向けの真空製品を製造する北海道工場(北海道苫小牧市)が竣工したことも、来2025年12月期業績への貢献期待を高め合わせて買い手掛かりとなっている。
■半導体関連の売り上げが回復し3Q累計では約2倍に
同社の今期3Q業績は、売り上げ160億2000万円(前年同期比2.7%増)、営業利益17億5400万円(同45.4%増)、経常利益15億5700万円(同50.7%増)、純利益10億3800万円(同60.7%増)と増収増益転換した。継手事業で海外市場が好調に推移し、海外の半導体関連の売り上げが今期第1四半期後半から回復し、今期3Q累計では約2倍強に拡大し、同事業の売り上げが93億9200万円(同12.1%増)、営業利益が13億4200万円(同40.2%増)と伸び、防災・工事事業も売り上げは減少したものの営業利益が、利益率の高い案件の寄与で6億3100万円(同69.4%増)と回復したことなどが要因となった。
今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ230億円(前期比8.3%増)、営業利益23億円(同55.1%増)、経常利益22億5000万円(同48.4%増)、純利益15億円(同55.2%増)と見込み、年間配当は、54円(前期実績54円)と高配当継続を予定している。なお北海道工場は、11月29日に竣工し、来年1月に稼働開始を予定しており、大手半導体ラピダスが、北海道千歳市で建設を進めている先端工場の北海道内の経済効果が18兆円とも観測されているなか、来期以降の早々の業績寄与が期待されている。
■利回り4.8%の配当権利取りから低PER・PBR修正で値幅効果も
株価は、今12月期業績のV字回復予想に反応し年初来高値1195円まで買い進まれ、北海道工場の工事契約なども続き高値で推移したが、今年8月の全般相場急落とともに年初来安値980円に突っ込み、第2四半期、第3四半期の好調業績を手掛かりに1100円台を回復し、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは13.6倍、PBRは0.91倍、配当利回りは4.84%となお割安である。期末接近の配当権利取りとともに値幅効果も期待でき、年初来高値奪回から2023年5月高値1218円を上抜き、2020年7月につけた上場来高値1510円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)