【編集長の視点】木徳神糧は増配・優待権利取り再燃を業績上方修正がフォローして反発

 木徳神糧<2700>(東証スタンダード)は、前日12日に10円高の5610円と変わらずを含めて4営業日ぶりに反発して引けた。同社株は、今2024年12月期の年間配当を100円(前期実績80円)と連続増配を予定しており、株主優待制度とともに権利取りの買い物が再燃した。その今年10月24日の増配・株主優待制度の変更の発表とともに今12月期業績を上方修正しており、またテクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し、さらにその25日線が75日移動平均線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆していることも、フォローの材料視されている。

■コメ不足騒動下で安定供給に向け令和6年産新米の調達を前倒し

 同社の配当は、2022年12月期に創業140周年の記念配当10円を上乗せして年間60円とし、続く2023年12月期には特別配当20円をオンさせて年間80円に増配し、今2024年12月期は、期初にこの特別配当を廃止して年間60円を予定し、普通配当は前期と横並びとしていた。その配当を今12月期業績の上方修正とともに増配、特別配当40円を上乗せして年間100円として連続増配幅を拡大させる。優待制度は、長期保有株主をより優遇する方針に変更し、12月末基準では100株を3年未満保有する株主に米穀製品2000円相当、3年以上保有する株主には同4000円相当を贈呈する。

 その今期業績の上方修正は、主力の米穀事業で、猛暑によるコメ不足騒動など令和5年米の需給が大きく崩れるなか、家庭用の強い需要に対応するため令和6年産新米の調達を前倒して安定供給に全力をあげ、2024年1月に鶏卵事業を展開している子会社キトクフーズを吸収合併したことなどが要因となった。売り上げは、期初予想を据え置き1180億円(前期比2.8%増)としているが、利益は3億円~5億円引き上げ営業利益19億円(同7.9%減)、経常利益20億円(同7.1%減)、純利益13億円(同12.1%減)と見込み、前期の過去最高業績からの減益転換率を縮小させる。

■PER7倍、PBR0.6倍の割安修正で年初来高値奪回の値幅効果も

 株価は、今年2月の12月期決算発表で今期業績の減益転換と減配を予想したことでストップ安して年初来安値5040円まで売られたが、今年8月にはスーパーのコメ売り場などからコメが払底するコメ不足騒動の関連で年初来高値6130円まで買い直され、その後は5400円を下値とする400円幅のボックス相場が続いた。足元では、このボックス下限から上限を窺う動きを続け、5日線が25日線を上抜くミニ・GCを示現し、続いてその25日線が75日線に上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。PERは7.0倍、PBRは0.69倍と割安であり、配当・優待の権利取りから値幅取りも有望で年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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