【どう見るこの株】プリントネットは九州第二工場建設を手掛かりに増益転換業績を見直す

■新工場建設で生産能力増強、ファブレス需要を取り込み成長へ

 プリントネット<7805>(東証スタンダード)は、前日16日に1円高の594円と小反発して引け、取引時間中には613円と買われる場面があり、4月15につけた年初来安値582円に並ぶ安値水準からの底上げを鮮明化させた。同社株は、今年12月13日に九州第二工場の建設を発表しており、成長可能性が高まるとして今2025年8月期の増益転換予想業績を見直し売られ過ぎ修正買いが再燃した。テクニカル的にも25日移動平均線を上値抵抗線として約4カ月にわたり下値調整しており、目先調整一巡として打診買いを誘っている。

■印刷業界のファブレス化で自社生産能力保有会社への需要が増加

 九州第二工場は、印刷業界で人材不足や設備・資材高騰によりファブレス経営が増加し、自社生産能力を有する印刷会社への需要が高まっていることに対応して建設を計画している。2019年1月に稼働を開始した九州工場(鹿児島県姶良市)の隣接地に取得済みの建設用地(9795坪)に工場延床面積約2000坪の第二工場を約35億円投資して建設し、2026年10月稼働開始を計画し、印刷機の新台を新設し4台体制として能力アップを図る。

 一方、今2025年8月期業績は、期中に下方修正した前期業績が下方修正値を上ぶれて着地したあとを受け、売り上げ94億200万円(前期比1.0%増)、営業利益5億1600万円(同15.2%増)、経常利益5億2200万円(同14.6%増)、純利益3億1800万円(同51.5%増)と増収増益転換を見込んでいる。前期業績の上ぶれ着地は、商品ラインアップのなかで利益率の高いカテゴリーの販売が増え、製造部門では従業員の多能化による人員の適正化、効率化などが要因になったが、今期は、新規会員獲得数が、広告宣伝活動の積極化により1万3490社(前期実績1万3328社)に回復し、会員1社当たりの平均売上高は2万8703円と計画していることなどが要因となる。

■上値抵抗線を上抜きPER9倍、PBR0.7倍の修正に再発進

 株価は、前期業績が低調に推移したものの配当を増配し、株主優待制度を拡充したことを好感して年初来高値705円まで買われ、その後の8月の全般相場急落場面では609円まで調整した。同安値からは8月期期末の配当・優待権利取りで679円までリバウンドしたものの、今8月期業績の増収増益転換予想には反応は限定的で、25日線を上値抵抗線として下値調整が長引いた。PERは9.0倍、PBRは0.79倍となお売られ過ぎを示唆しており、25日線抜けからまず年初来高値から直近安値への調整幅の半値戻しの645円を奪回し、年初来高値を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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