インテージHDグループのインテージヘルスケア、キャンバスとAI創薬に関する抗がん剤候補化合物の共同研究で成果を確認

 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)グループのインテージヘルスケア(本社:東京都千代田区)は12月25日、キャンバス<4575>(東証グロース)と進めていたAI創薬による新規免疫系抗がん剤候補化合物の創出に関する共同研究において成果が確認されたと発表。

 2024年4月から、両社は予備的な共同研究を開始し、キャンバスが指定したがん免疫関連の薬が作用する標的タンパク質(ターゲット)に対して、数百万に及ぶ低分子化合物のバーチャルスクリーニングや、ターゲットに結合するペプチドミメティック(※1)の創製を行ってきた。このターゲットは、比較的結合が弱いタンパク質間相互作用によってその機能が発揮されるため、低分子化合物やペプチドによる制御が一般的には困難とされる。共同研究では、インテージヘルスケアのAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet(ディープカルテット)」などのAI創薬技術を活用し、検証を進めてきた。

 検証の結果、今後有力なリード化合物(※2)となり得る水準のアフィニティ(※3)を持つヒット化合物(※4)を獲得した。この成果を受けて、共同研究契約の目的を拡大し、期間を延長することで合意した。

 今後の共同研究では、インテージヘルスケアがターゲットに対し高いアフィニティを持つ化合物の探索と創製を続け、複数のヒット化合物の創出を目指す。キャンバスは、得られたヒット化合物のスクリーニングや簡易動物試験による評価を実施する。両社は連携して最適化を進め、前臨床試験や臨床試験に向けたリード化合物の創出を目指していく。

※1 ペプチドミメティック:複数のアミノ酸がつながって形成される「ペプチド」に似せて人工的に作られた化合物のこと。ペプチドと同様の働きを持ちながら、ペプチドよりも安定性が高く分解されにくい特徴を持つ。

※2 リード化合物:ヒット化合物をもとに化学修飾や動物実験などの検証を重ね、結合の強さだけでなく薬としての特性も一定水準以上に良好と確認された化合物。

※3 アフィニティ:ターゲットへの結合の強さを指す。ターゲットに強く結合する化合物は低い用量でも効果を発揮しやすく、副作用のリスクが低いと期待されるため、ヒット化合物の選択基準として重要である。

※4 ヒット化合物:薬の開発初期段階で候補として絞り込まれた化合物。

【「Deep Quartet(ディープカルテット)」について】

 インテージヘルスケア、理論創薬研究所、アフィニティサイエンスが3社連携で開発・提供するAI創薬プラットフォームである。「Deep Quartet」は、深層強化学習技術である(1)Deep reinforcement learning、ファーマコフォアモデルを用いるソフトウェア(2)LigandScout、網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習技術(3)CzeekSを組み合わせたフローに、(4)メディシナルケミスト(有機合成化学者)の知見を加えることで、Quartet(四重奏)によるAI創薬プラットフォームを実現している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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