【マーケットセンサー】インフレ再燃の懸念、FRBと日銀の対応は?

■FRBと日銀の警戒感高まる

 2025年の金融市場は、トランプ大統領の就任という単一の株価材料によって大きく揺さぶられる展開が予想される。新政権の予測不可能な政策運営により、リスクオンとリスクオフが激しく交錯する相場となる可能性が高い。減税や関税引き上げ、規制緩和、移民の強制送還といった政策が、どの程度のインパクトでインフレを再燃させ、金利、為替、景気に影響を及ぼすかが、市場の焦点となっている。

 この状況下において、FRB(米連邦準備制度理事会)は2024年12月のFOMC(公開市場委員会)で発表したドットチャートにおいて、2025年の利下げ回数を従来の4回から2回へと減少させる見通しを示した。さらに、インフレの動向次第では、金融政策の正常化が停滞するだけでなく、利上げへの転換すら視野に入れざるを得ない状況である。

 日本銀行においても、植田和男総裁は金融政策決定会合後の記者会見で、次期政権の経済政策に対する不確実性への強い警戒感を表明した。このような中央銀行の慎重な姿勢は、新政権の政策運営が世界経済に及ぼす影響への懸念を如実に表している。市場関係者には、年明け早々からトランプ大統領の一挙一動に対する綿密な観察が求められている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■リサイクル素材使用、サステナビリティにも配慮した機能性リュック  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■クラウド、生成AI、SNS…教師の悩みを解決する実践的な一冊  インプレスホールディングス<94…
  3. ■法令遵守と専門用語の正確性を両立、新たな審査のスタンダードへ  大日本印刷(DNP)<7912>…
2025年1月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1.  2024年後半相場では、生成AI(人工知能)関連株が高値波乱に見舞われた際、その隙間を埋める役割を…
  2. ■波不確定要素が絡む新春相場のスタートか?  2025年新春相場は、出だしの1月早々から気の置けな…
  3. ■「団塊世代」の後期高齢者化で浮上!「2025年問題」に挑むビジネスチャンス  2025年の東京市…
  4. ■AI革命と電力株逆張りの妙味:脱炭素時代の勝ち組を探る  「トランプ劇場」の先行きのヒントになる…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る