■AI革命と電力株逆張りの妙味:脱炭素時代の勝ち組を探る
「トランプ劇場」の先行きのヒントになる参考銘柄は、ソフトバンクグループ<9984>(東証プライム)だろう。2024年12月16日に再びトランプ大統領の懐に飛ぶ込んだ面談で、米国に4年間で1000億ドル(約15兆円)の投資をし10万人の雇用を創出すると表明したからだ。この巨額投資の中心は、AI(人工知能)開発向けのデータセンター事業とみられており、AI向けでは半導体設計のアームに次ぐ大きな柱を確立することになる。同社株の動向次第では、データセンター関連株が、よりスケープアップして浮上しそうだ。
■割安な電力株に逆張りチャンス、原発活用で業績上振れ続く
データセンター向けの電力供給の電力株や光ファイバーケーブルなどの需要が拡大している電線株が中心となる。電力株は、関西電力<9503>(東証プレミアム)が、公募増資発表で急落し年初来安値まで31%超安となったことが波及して同様に年初来安値まで売られている銘柄も続いているが、10電力のうち売り上げを含めれば7電力が今3月期業績を上方修正し、PERは2倍~9倍、PBRは0.2倍~0.9倍と大きく割り負けている。2025年6月には運転期間が60年を超えた原子力発電所の運転延長を認可するグリーントランスフォーメーション(GX)脱炭素電源法が施行され、次期エネルギー基本計画では、2040年度の原発依存度を2割程度に引き上げる原案も示された。管内で最先端半導体工場の建設が進んでいる九州電力<9508>(東証プライム)、北海道電力<9509>(東証プライム)などすべての電力株に逆張りチャンスが強まりそうだ。
■フジクラ6倍高の電線株、データセンター特需で急騰
電線株は、すでに2024年に軒並み大化けしフジクラ<5803>(東証プライム)に至っては年初来安値から年初来高値まで6.2倍となり、今3月期業績を2回上方修正し配当を2回増配したが、PERは27倍超と市場平均を上回っている。ただこの株価急騰で信用需給も売り買いが均衡する好取組となっており、世界の生成AIニーズの高まりでデータセンター市場の一段の拡大が予測されていることからも古河電気工業<5801>(東証プライム)、SWCC<5805>(東証プライム)とともに次の大々台、1万円台先乗りの株価レースを演じる展開も想定される。またデータセンター株そのものへの見直しも進むとすると業界大手のNTT<9432>(東証プライム)、SCSK<9719>(東証プライム)、さくらインターネット<3778>(東証プライム)、AGS<3648>(東証スタンダード)、ブロードバンドタワー<3776>(東証スタンダード)、京阪神ビルディング<8818>(東証プライム)などのマークも怠れない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)