2024年後半相場では、生成AI(人工知能)関連株が高値波乱に見舞われた際、その隙間を埋める役割を果たしたのが核融合発電株を中心としたディープテック株であった。核融合発電は、無限に近いエネルギー供給を可能にする夢の技術として注目され、環境負荷を大幅に低減できる次世代エネルギーとして期待されている。
■ジェイテックコーポは最先端の放射光施設から高精度ミラーの受注が続々
核融合発電は、「地上に太陽をつくる」ことを目指し「究極の発電」とも「夢の発電」ともいわれている。現行の原子力発電が、原子を核分裂させて発生させた加熱エネルギーを利用して発電するのに対して、燃料を核融合させて発電するもので、放射線を発生せず安全であり、国際協調による開発プロジェクトが進み、国内でも実験炉による実証試験が続いている。足元では、生成AI(人工知能)の普及・拡大に伴いデータセンター需要が急増し、この電力供給が大きな課題になっており、核融合発電への注目度も高まっている。関連株として国内開発プロジェクトに参画しているトヨタ自動車<7203>(東証プライム)、古河電気工業<5801>(東証プライム)などが上げられるが、注目したいのは、核融合のレーザー方式で燃料に強力なレーザーを照射するキーデバイスの高精度ミラーで世界有数なジェイテックコーポレーション<3446>(東証プライム)である。同ミラーは、世界の放射光施設約70施設のうち30施設に納入実績があり、米国、スイス、中国からの大型受注が続き、2024年12月23日には大阪大学発のスタートアップでレーザー核融合技術の実用化を目指しているEX-Fusion(大阪府吹田市)と技術提携を締結した。今6月期業績は、増益転換を予想しているものの、配当は無配継続でPERは割高だが、中期経営計画の最終年度の2026年6月期純利益は、今期予想比2.7倍を目標としており、核融合関連株のダークホースとなりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)