■ニチガク倒産など、受験シーズン直前に事業停止相次ぐ
東京商工リサーチの調査によると、2024年の学習塾倒産件数は53件(前年比17.7%増)となり、2000年以降で過去最多を記録した。負債総額も117億4,400万円(同827.6%増)と前年の9.2倍に膨らみ、過去最多となっている。直近では、大学受験予備校「ニチガク」を運営する日本学力振興会が約1億円の負債を抱えて破産申請の準備に入り、約130名の生徒に影響を与えている。
2024年の負債総額急増の主因は、個別指導塾スタンダードの経営破綻である。同社は2024年6月に民事再生法の適用を申請し、負債総額約83億2,400万円を計上した。これは2000年以降の学習塾倒産では最大規模となる。従来、中小規模が中心だった学習塾の倒産は、近年では中堅以上の規模にまで及んでいる。
学習塾市場では、集団指導、個別指導、オンライン指導など形態の多様化が進む一方、動画サイトを活用した無料コンテンツの台頭により競争が一層激化している。倒産の内訳を見ると、負債額別では「1千万円以上5千万円未満」が37件と約7割を占め、原因別では「販売不振」が42件(79.2%)と最多となっている。少子化の影響も重なり、2025年も倒産や休廃業の増加が予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)