【注目銘柄】WOLVES HANDはミニ・ゴールデンクロスを示現して上昇トレンド転換を示唆

■事業譲受で連続最高純益を買い増して続伸

 WOLVES HAND<194A>(東証グロース)は、前日14日に12円高の838円と続伸して引け、取引時間中には879円と買われる場面があり25日移動平均線を上回る水準での三角保ち合いでの煮詰まり感を強めた。今年1月6日に発表した安田動物病院(兵庫県西宮市)からの動物園事業の譲受が、同社独自の非連続性の成長戦略ビ事業承継M&Aとして業績に寄与し、連続過去最高更新と予想されている今2025年6月期業績の上ぶれを期待して買い増勢となった。テクニカル的にも三角保ち合いの煮詰まりとともに5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換も示唆しており、フォローの材料視されている。

■事業承継M&Aで拠点数が拡大し診療件数が増加し診療単価も上昇

 同社は、ペットの1次診療から2次診療のから高度医療までを一貫して展開する最先端の動物病院事業をメーンの事業としており、前期末で33病院となっている病院数のうち、20病院が事業継承M&Aにより取得しており、事業継承M&Aが成長可能性を高めるビジネスモデルとなっている。事業環境として、全国の犬猫飼育診療施設1万2706施設(2023年)のうち、51%超の6537施設が個人診療施設で獣医師が2人以下であるうえに獣医師が高齢化し事業継続や高度医療に支障があり、事業継承M&Aの余地が大きいことによる。安田動物病院の動物病院事業の譲受についても、同社は、すでに兵庫県内に2病院を開院しているが、西宮エリアは未出店であり、新たなエリア拠点を増加させることで関西エリアの連携・収益強化につながる。

 今2025年6月期業績は、昨年8月の3病院を運営するそよかぜ(埼玉県さいたま市)の事業承継M&Aや自社施設の多摩の森動物病院の開院などの寄与で売り上げ55億4100万円(前期比11.0%増)、営業利益8億9800万円(同8.6%増)、経常利益8億8800万円(同10.9%増)、純利益5億6100万円(同0.6%増)と見込み、連続して過去最高を更新する。昨年11月12日に発表した今期第1四半期(2024年7月~9月期、1Q)業績は、動物病院が37施設、獣医師も120人に増加し、診療件数、診療単価とも続伸したことから売り上げは12億5100万円(前年同期比6.4%)と連続増収となったが、利益は、M&A費用2600万円、IPO(新規株式公開)費用400円、税金費用800万円などの負担増で減益となり、経常利益は1億3800万円(同20.5%減)となった。ただ一時的費用を除外すると経常利益は、1億7000万円(同1.7%増)と実質で増益を維持した。

■ミニGCでPER11倍の修正に弾みをつけ初値奪回からリバウンド幅拡大

 株価は、昨年6月に公開価格770円でIPOされ875円で初値をつけ上場来高値1641円高値まで買い進められ、反動安値817円から第一三共<4568>(東証プライム)などのコンソーシアム結成でストップ高して1278円まで買い戻された。同戻り高値後は、8月の全般相場急落に巻き込まれて上場来安値670円、今期1Q業績の増収減益着地で693円と売られる場面があったが、公開価格割れ、初値割れは下げ過ぎとしてリバウンドし、足元では5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して再度の上昇トレンド転換を示唆した。PERは11.1倍と割安であり、まず初値を奪回し、上場来高値から同安値への調整幅の3分の1戻しの993円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■SNSが変えた2024年選挙、デジタル時代の政治コミュニケーション  2024年は「選挙イヤー」…
  2. ■今年の漢字『変』、二年連続でトップ  帝国データバンクの調査の結果、2024年の漢字として選ばれ…
  3. ■リサイクル素材使用、サステナビリティにも配慮した機能性リュック  青山商事<8219>(東証プラ…
2025年1月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■治療薬から除雪機器まで、冬季関連企業に注目  今週の当コラムは、個人投資家が対処しやすいインフル…
  2. どう見るこの相場
    ■インフルエンザ・大雪・トランプ…投資家は今、何をすべきか  『今、そこにある危機(Clear a…
  3.  2024年後半相場では、生成AI(人工知能)関連株が高値波乱に見舞われた際、その隙間を埋める役割を…
  4.  2024年後半相場では、生成AI(人工知能)関連株が高値波乱に見舞われた際、その隙間を埋める役割を…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る