【話題株】セブン&アイHDは「モノ言う株主の外圧」念頭に下値分散投資、米サードポイント介入とされソニーやファナックの前例を想起

セブン&アイ・ホールディングス 3382

話題株 セブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1・売買単位100株)は10月下旬に米投資ファンドのサードポイントが5%近く株式を保有して「総合スーパー事業の改善などを要求していることが分かった」(27日付ロイター通信)などと伝えられ、11月に入ると「イトーヨーカ堂を分離独立させるべきだと求めたことが(投資家向けに送った書簡で)分かった」(1日付日本経済新聞)と伝えられ、思惑含みとなっている。

サードポイントは、これまでの報道などを総合すると、2014年末の時点での運用規模が約110億ドル(約1.3兆円)。「アクティビストファンド(モノ言う株主)」、「ダニエル・ローブ氏が率いる」などと形容される。

15年1月にはソニー<6758>(東1)の各事業の構造改革やエンターテインメント事業の価値増大に言及したと伝えられたことがあり、そのためかどうか、ソニーは2月に発表した中期経営方針でビデオ&サウンド事業の分社化などを発表した。また、同年2月にはファナック<6954>(東1)の株主として株主還元などを求めたと騒がれ、ファナックは4月に配当の増額や株主還元方針を発表した。同年8月にはスズキ<7269>(東1)の株式保有が伝えられ、独フォルクスワーゲンとの株式持ち合いやインド子会社マルチ・スズキに関する提案が注目を集めた。

こうした経緯があるため、サードポイントについては、「日本の上場会社にとっては少々厄介(やっかい)な存在になるが、見方を変えると、日本企業をよく勉強していて、国内の投資家にとっては「外圧」によって目を覚まさせてくれる面もある。ダニエル・ローブ氏が時々来日してジカに企業訪問を行ったりするようで、食事はウナギがお気に入りだとの噂もある」(投信会社の元運用担当者)という。

セブン&アイ・ホールディングスは2月決算のため、次の四半期決算は第3四半期(9~11月)になり、発表は1月上旬の予定。数ヵ月のうちに何かが飛び出してくる可能性はあり、余裕資金があれば軟調な局面を何度かに分けて分散買いする魅力がありそうだ。

本日のアクセスランキング

  1. 島津製作所が新たな水中通信技術を開発、防衛装備庁の事業の一環として海洋での実験を実施
  2. ソフトバンク、1対10株式分割と株主優待制度の新設を発表、投資家層の拡大を目指す
  3. KeePer技研、日本中の郵便局の集配車を「フレッシュキーパー」で蘇らせる
  4. あさくまが急騰、株主優待制度拡充へ、年2回の優待と豪華賞品抽選
  5. NTT、世界初の光ファイバ分岐技術で通信ネットワークを柔軟に構築、通信断なく多種多様な光ファイバを接続
  6. 東洋水産が出直り強める、投資家グループが配当の引き上げなど提案と伝えられ注目強まる
  7. ドリコムが後場一段と強含む、リメイク版を5月からニンテンドースイッチ、PSなどにリリース、期待強い
  8. 日立グループの日立エナジーが15億ドル超の投資により変圧器の製造能力を40%向上へ
  9. あさくま、株主優待制度拡充へ、年2回の優待と豪華賞品抽選
  10. エレコム、日本アンテナを完全子会社化し放送アンテナ関連事業基盤を強化

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る