ヤマシタヘルスケアホールディングスは25年5月期2Q累計減益だが利益進捗率高水準

 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、1月14日に25年5月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。人件費や販管費などの増加で減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。通勤減益予想を据え置いたが、第2四半期累計の利益進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は戻り一服の形となったが調整一巡感を強めている。1倍割れの低PBRも支援材料であり、出直りを期待したい。

■25年5月期2Q累計減益だが利益進捗率高水準で通期上振れ余地

 1月14日に発表した25年5月期第2四半期累計(中間期)連結業績は、売上高が前年同期比8.5%増の313億62百万円、営業利益が15.6%減の5億22百万円、経常利益が14.4%減の5億52百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が29.5%減の3億38百万円だった。

 人件費や販管費などの増加で減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。営業利益96百万円減益の要因分析は、売上総利益の増加で2億65百万円増益、人件費・教育等関連費用の増加で1億83百万円減益、販売促進費・研究開発費等の増加で98百万円減益、水道光熱費・保険料・その他設備管理費等の増加で80百万円減益だった。

 医療機器販売業は売上高が8.7%増の313億55百万円、セグメント営業利益(全社費用等調整前)が1.9%増の11億25百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野(画像診断機器、放射線診断装置等)が9.5%増の41億63百万円、一般消耗品分野(手術関連消耗品等)が3.5%増の127億88百万円、低侵襲治療分野(内視鏡、サージカル備品等)が4.5%増の72億44百万円、専門分野(整形、理化学、透析等)が24.6%増の63億64百万円、情報・サービス分野(設備保守メンテナンス等)が21.5%増の7億95百万円だった。放射線機器等の設備投資需要増加、検査・手術件数増加に伴う診察材料等の医療機器消耗品の需要増加に加え、23年12月に子会社化した鹿児島オルソ・メディカルの連結も寄与した。

 医療機器製造・販売業は売上高が22.8%減の1億13百万円で営業利益が82百万円の損失(前年同期は6百万円)だった。医療モール事業は売上高が2.5%減の35百万円で営業利益が0百万円の損失(同2百万円)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が151億83百万円で営業利益が1億78百万円、第2四半期は売上高が161億79百万円で営業利益が3億44百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年5月期比9.4%増の673億19百万円、営業利益が20.2%減の7億71百万円、経常利益が19.5%減の8億21百万円、親会社株主帰属当期純利益が12.2%減の5億09百万円としている。配当予想は24年5月期比9円減配の61円(期末一括)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 需要が堅調に推移して増収だが、人的資本経営の強化に伴う人件費増加などで各利益は減益予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は売上高47%、営業利益68%、経常利益67%、親会社株主帰属当期純利益66%だった。利益進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は戻り一服の形となったが調整一巡感を強めている。1倍割れの低PBRも支援材料であり、出直りを期待したい。1月14日の終値は2345円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS204円47銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の61円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3429円08銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約60億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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