トレジャー・ファクトリー、25年2月期3Q累計は既存店売上好調で大幅増収増益と順調
- 2025/1/15 10:22
- 決算発表記事情報
トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は1月14日に25年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。既存店売上が好調に推移して大幅増収増益だった。そして通期の大幅増収増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率が順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。
■25年2月期3Q累計大幅増収増益と順調、通期も大幅増収増益予想
25年2月期第3四半期累計(3月~11月)の連結業績は、売上高が前年同期比22.7%増の305億15百万円、営業利益が20.5%増の29億82百万円、経常利益が20.0%増の30億11百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が22.3%増の19億58百万円だった。
既存店売上が好調に推移して大幅増収増益だった。営業利益の前年同期比5億07百万円増益の分析は、単体・既存店等で8億73百万円増加、単体・当期新店で71百万円減少、単体・その他で5億85百万円減少(店舗買取以外の買取チャネルの人員増加で1億16百万円減少、ECや買取強化のための広告宣伝費増加で55百万円減少、センター拡張移転に伴うコスト増加で33百万円減少、レンタル事業の減益で52百万円減少)、グループ会社の利益貢献で2億90百万円増加だった。
主要KPIとして、単体ベースの既存店売上高は前年同期比107.3%、販売件数は102.8%、1件あたり販売単価は104.4%と好調に推移した。単体ベースの既存店売上総利益率は64.9%で0.8ポイント低下した。内訳は商品ミックス変化(免税販売を中心とする原価率の高い高単価商材が増加)の影響で約0.5ポイント低下、会計処理変更(仕入送料の一部を販管費から売上原価に変更)の影響で約0.2ポイント低下した。連結ベースの仕入高は20.1%増加した。連結ベースの新規出店は合計17店舗で、25年1月末時点のグループ合計店舗数(海外およびFCを含む)は293店舗となった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が103億20百万円で営業利益が13億49百万円、第2四半期は売上高が92億94百万円で営業利益が3億95百万円、第3四半期は売上高が109億円で営業利益が12億36百万円だった。なお季節要因として、第1四半期は引越シーズンで単価の高い家具や生活家電等の需要が高まるのに対して、第2四半期は単価の低い夏物衣料の需要が高まるため第1四半期に比べて売上高、営業利益とも減少する特性がある。
通期連結業績予想(24年7月10日付で上方修正)は据え置いて売上高が24年2月期比21.5%増の418億62百万円、営業利益が20.7%増の40億41百万円、経常利益が20.0%増の40億69百万円、親会社株主帰属当期純利益が21.5%増の27億23百万円としている。配当予想(24年7月10日付で第2四半期末2円上方修正)も据え置いて24年2月期比6円増配の34円(第2四半期末18円、期末16円)としている。予想配当性向は29.3%となる。
成長投資を実行しつつ、通期ベースで売上高、利益とも20%以上の成長率維持を目指す。下期の前提としては単体ベースの既存店売上104%、連結ベースの売上総利益率59.5%(上期実績60.2%)で販管費比率49.3%(同51.3%)としている。また連結ベースの新規出店は通期で23店舗の見込みとしている。
第3四半期累計の進捗率は売上高73%、営業利益74%、経常利益74%、親会社株主帰属当期純利益72%となる。第2四半期の構成比が小さい季節要因を勘案すれば進捗率は順調と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は反発力の鈍い形だが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。1月14日の終値は1359円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円23銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS362円06銭で算出)は約3.8倍、そして時価総額は約331億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)