【注目銘柄】鳥居薬品は花粉飛散開始で花粉症舌下錠「シダキュア」販売増を先取り

注目銘柄

■スギ花粉症治療薬市場でリーダーシップを発揮

 鳥居薬局<4551>(東証プライム)は、前日21日に35円高の4680円と続伸して引け、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。早くも年明けの1月8日から東京でスギ花粉が飛び始めており、2月中旬からスギ花粉症シーズンに入り、飛散量は東日本、西日本では平年を上回り、西日本では過去10年で最多と予想されていることから、同社が製造販売しているアレルゲン免疫療法剤「シダキュア 花粉症舌下錠」の販売拡大を先取りして関連株買いが増勢となった。目下集計中の前2044年12月期業績が、「シダキュア」と「ミティキュア ダニ舌下錠」の販売拡大で期中に2回も上方修正されたことも見直されている。

■「シダキュア」は四半期決算ごとに増収率を伸ばし増産投資

 同社の2024年12月期業績は、第2四半期(2024年1月~6月期、2Q)決算発表時の昨年7月と第3四半期(2024年1月~9月期、3Q)決算発表時の昨年10月に合計2回上方修正された。いずれも「シダキュア」と「ミティキュア」の販売が想定を上回ったことが要因であり、2Qでは「シダキュア」の売り上げが、前年同期比10.1%増の57億5300万円、「ミティキュア」が同10.7%増の51億8600万円、3Qでは同じく前年同期比13.2%増の90億1500万円、11.0%増の79億9900万円となった。アレルギーの原因である「アレルゲン」を舌の下に少量投与することでアレルギー症状を和らげる花粉症のアレルゲン免疫療法が、さらに普及し処方増となった結果である。

 このため2024年12月期業績は、売り上げが期初予想より2回の上方修正で合計26億円、営業利益が同9億円、経常利益が6億円、純利益が4億円それぞれ上ぶれ、売り上げ612億円(前の期比12.0%増)、営業利益67億円(同33.1%増)、経常利益68億円(同28.1%増)、純利益48億円(同23.8%増)と増益転換率を伸ばす。続く2025年12月期業績の動向については、2月7日に予定している12月期決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、「シダキュア」の生産能力を年間25万人から100万人分に増強する30億円の設備投資を計画していることや、中長期事業ビジョン「VISION2030」で2030年に売り上げを800億円超、営業利益を過去最高の133億円とする数値目標を掲げていることからも続伸が有力となる。

■GC示現の25日線で下値を確認し春高特性に乗って昨年来高値奪回に再発進

 株価は、昨年8月の日経平均株価の過去最高の下落幅にツレ安して突っ込んだ昨年来安値3105円から2回目の業績上方修正で昨年来高値4885円まで57%高して25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。同高値後は期末の配当権利落ちに同社大株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントの保有比率減少が判明したことで下値を探ったが、25日線をキープする下値抵抗力を示した。投資採算的に割安感は乏しいが、花粉症関連人気の春高特性の先取りは妙味大で昨年来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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