【注目銘柄】ヨシムラフードは中国の水産物輸入再開を先取りし業績再々上ぶれ期待を高まる

■績再々上ぶれ期待を高めて下げ過ぎ修正買いが増勢

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東証プライム)は、前日22日に6円高の1050円と3営業日続伸して引け、今年1月17日につけた直近安値1017円からのリバウンド幅を拡大させた。同社株は、今年1月14日に今2025年2月期第3四半期(2024年3月~11月期、3Q)決算とともに、今2月期通期業績の上方修正を発表し、純利益は、昨年12月9日に続き2回目の上方修正となったが、市場コンセンサスを下回るとして売り先行となった。ただ中国の日本産水産物の輸入再開が近付き、さらに東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ)の賠償金受領も続くことから、業績再々上ぶれ期待を高めて下げ過ぎ修正買いが増勢となった。

■ホタテ製品の市場価格は処理水放出前まで回復しなお賠償金受領も

 同社の今2月期業績は、昨年12月に純利益を上方修正したあと、今年1月にはこの純利益の2回目の上方修正を含めて2月期通期業績を上方修正した。昨年12月の純利益の上方修正は、東京電力HDから原発事故の賠償金8億4800万円を受領したことによるもので期初予想の11億1300万円を15億400万円に引き上げた。一方、12月の上方修正は売り上げは期初予想を据え置き582億1500万円(前期比16.9%増)としたが、営業利益を3億5500万円、経常利益を8億7100万円、純利益を1億1600万円それぞれ引き上げ営業利益31億円(前期比31.6%増)、経常利益35億4300万円(同19.0%増)、純利益16億2000万円(同58.0%増)と見込み、連続増益率を伸ばす。

 2023年10月に連結子会社化したワイエスフードグループの寄与のほか、2023年8月のALPS処理水の海洋放出を背景にした中国の日本産水産物の全面輸入禁止により急落したホタテ製品の市場価格が、ようやく放出前の水準まで回復し、さらにALPS処理水関連の緊急新規需要開拓等支援事業補助金の収入もあったことなどが要因となった。この上方修正業績は、さらに上ぶれ要因もある。まず東電HDの昨年12月受領の賠償金は、対象期間を2023年8月1日から2023年10月31日までとしているが、2023年11月以降についても順次請求の意向である。また中国は、日本産水産物の輸入再開を検討しており、今年2月に中国の王毅共産党政治局員兼外相を日本に招待して日中首脳会談開催へのすり合わせを続けるとも観測されており、実現する可能性もあるためだ。

■昨年来高値からの日柄・値幅調整一巡でまず調整幅の3分の1戻しにトライ

 株価は、昨年9月に日中で日本産水産物の輸入再開へ合意と報道されたことで昨年来高値1914円へ急伸したものの、その後の四半期業績の好調推移や純利益の上方修正、M&A、補助金収入計上などには限定的な反応にとどまって下値を探り、今年1月の業績上方修正も修正幅が小幅で市場コンセンサスを下回るとして1017円と売られた。PERは、15.4倍と市場平均並みで割安感は乏しいが、昨年来高値から日柄で4カ月、値幅で約900円と売られ調整一巡感も強めており、売られ過ぎ修正を窺っていた。まず昨年来高値から直近安値への調整幅の3分の1戻しの1300円台回復にトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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