■インド市場での新たな収益基盤として鉄鋼事業に注力
鴻池運輸<9025>(東証プライム)は1月23日の後場寄り後に2962円(22円高)まで上げた後も堅調に売買され、値上がり率は小さいが12月30日につけた上場来の高値3135円に向けて2日続伸基調となっている。23日の正午前、インド国営の鉄鋼スラグ処理事業会社「Ferro Scrap Nigam Limited」(フェロスクラップ・ニグラム、以下「FSNL社」)の株式取得が1月21日付で完了し、完全子会社になったと発表。同国での事業拡大に期待が再燃している。
発表によると、FSNL社は、インドの国営系鉄鋼メーカーを主要顧客として確固たる地位を築いてきた優良企業。FSNL社の民営化にともなうインド政府主催の公開入札で鴻池運輸が落札した。同社の事業内容は、鴻池運輸の鉄鋼本部の事業と重なるところが多い。インドは現在世界第2位の粗鋼生産量(1億4千万トン、23年実績)を持ち、2030年までに3億トンまで能力を引き上げることを政府が公表するなど、今後世界の鉄鋼業界をけん引する国と見込まれている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)