日本エム・ディ・エム、25年3月期3Q累計は販管費増と獲得症例数の増収効果で増収・営業増益

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は1月30日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。増収・営業増益で着地した。円安によって売上原価率が上昇し、販管費も増加したが、獲得症例数増加による増収効果で吸収した。そして通期増収増益予想を据え置いた。償還価格引き下げや円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は24年12月の安値圏から反発し、徐々に水準を切り上げて底打ち感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■25年3月期3Q累計増収・営業増益、通期増収増益予想据え置き

 25年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比8.6%増の184億58百万円、営業利益が3.9%増の12億29百万円、経常利益が2.5%減の11億94百万円、親会社株主帰属四半期純利益が20.0%増の8億79百万円だった。

 増収・営業増益で着地した。円安によって売上原価率が上昇し、販管費では人件費や支払手数料などが増加したが、日本国内、米国とも獲得症例数が増加し、増収効果で吸収した。営業外収益では為替差益が58百万円減少した。純利益については前期の特別損失に計上した和解関連費用75百万円の剥落も寄与して大幅増益だった。

 セグメント別(セグメント間取引・全社費用等調整前)に見ると、日本は売上高が4.2%増の99億37百万円で営業利益が34.3%減の5億47百万円、米国は売上高が8.3%増の113億78百万円で営業利益が69.1%増の5億55百万円だった。米国の外部顧客向け売上高はUSドルベースで6.8%増の55百万円USドル、円換算後で14.3%増の85億21百万円だった。米国売上の為替換算レートは1USドル=152.90円(前年同期は1USドル=142.76円)だった。

 医療機器類の品目別売上高(セグメント間取引相殺消去後、日本は販売促進費控除前、米国は円換算後)は、人工関節は日本が3.4%増の37億53百万円で米国が14.4%増の84億97百万円、骨接合材料(日本)は3.3%増の34億25百万円、脊椎固定器具は日本と米国の合計が5.8%増の26億41百万円だった。自社製品比率は0.7ポイント上昇して81.0%となった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が60億52百万円で営業利益が3億66百万円、第2四半期は売上高が57億65百万円で営業利益が3億03百万円、第3四半期は売上高が66億41百万円で営業利益が5億60百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.7%増の252億円、営業利益が5.9%増の18億50百万円、経常利益が0.4%増の18億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.2%増の13億円としている。想定為替レートは1USドル=150円としている。配当予想については24年3月期比1円増配の15円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は30.4%となる。

 償還価格引き下げ、円安による調達コストの上昇などがマイナス要因となるが、獲得症例数増加による増収効果や原価低減効果などで吸収する見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高73%、営業利益66%、経常利益65%、当期純利益68%とやや低水準の形だが、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、同社の業績も下期の構成比が高い特性がある。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は底打ち

 株価は24年12月の安値圏から反発し、徐々に水準を切り上げて底打ち感を強めている。1倍割れの低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。1月30日の終値は631円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円39銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の15円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS968円74銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約167億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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