ゼリア新薬工業は25年3月期通期連結業績予想を2回目の上方修正
- 2025/2/6 09:47
- 決算発表記事情報
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ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)は2月5日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。営業・経常増益だった。売上面は医療用医薬品事業、コンシューマーヘルスケア事業とも順調に推移し、利益面はコンシューマーヘルスケア事業が牽引した。そして通期連結業績予想を上方修正した。24年11月5日付に続いて2回目の上方修正となる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は昨年来高値圏から反落して水準を切り下げたが、好業績を評価して出直りを期待したい。
■25年3月期3Q累計は営業・経常増益、通期予想を2回目の上方修正
25年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.8%増の647億73百万円、営業利益が8.0%増の102億46百万円、経常利益が12.9%増の106億61百万円だった。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の特別利益の剥落や法人税等の増加により2.3%減の82億26百万円だった。
営業・経常増益だった。売上面は医療用医薬品事業、コンシューマーヘルスケア事業とも順調に推移し、利益面はコンシューマーヘルスケア事業が牽引した。なお営業外では為替差損益が4億42百万円改善(前期は差損1億42百万円、当期は差益3億円)した。特別利益では前期計上の契約解除損失引当金戻入額9億55百万円が剥落した。
医療用医薬品事業は売上高(外部顧客への売上高)が13.7%増の426億74百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が1.8%減の87億92百万円だった。主要製品の売上高は、アサコールが5.7%増の167億94百万円、ディフィクリアが46.0%増の147億39百万円、エントコートが0.7%増の39億37百万円、アコファイドが1.6%減の23億46百万円、その他が8.0%減の48億57百万円だった。潰瘍性大腸炎治療剤アサコールは国内が薬価改定の影響で苦戦したが、海外が北欧を中心に好調だった。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリア(国内販売名ダフクリア)はフランス、ドイツ、イギリスなどで売上が拡大した。
コンシューマーヘルスケア事業は、売上高が8.5%増の219億75百万円で、営業利益が24.2%増の51億98百万円だった。主要製品の売上高は、ヘパリーゼ群が15.2%増の101億07百万円、コンドロイチン群が1.8%減の43億70百万円、ウィズワン群が19.5%増の11億61百万円、その他が4.6%増の63億34百万円だった。ヘパリーゼ群は24年10月に発売した新製品「ヘパリーゼWシャイン」も寄与して、コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群が好調だった。また植物性便秘薬ウィズワン群や皮膚疾患治療剤プレバリン群も伸長した。
その他(保険代理業・不動産賃貸収入等)は、売上高が6.9%増の1億23百万円、営業利益が3.1%減の1億83百万円だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高214億55百万円、営業利益39億39百万円、経常利益54億59百万円、第2四半期は売上高209億67百万円、営業利益25億20百万円、経常利益24億90百万円、第3四半期は売上高223億51百万円、営業利益37億87百万円、経常利益27億12百万円だった。
通期の連結業績予想は上方修正(24年11月5日付に続いて2回目の上方修正)して、売上高が24年3月期比14.2%増の865億円、営業利益が24.7%増の120億円、経常利益が41.0%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の90億円としている。配当予想は据え置いて24年3月期比2円増配の46円(第2四半期末23円、期末23円)としている。連続増配で予想配当性向は22.5%となる。
前回予想(24年11月5日付の上方修正値)に対して、売上高を5億円、営業利益を10億円、経常利益を10億円、親会社株主帰属当期純利益を5億円、それぞれ上方修正した。修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75%、営業利益85%、経常利益89%、親会社株主帰属当期純利益91%である。通期会社予想には3回目の上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は昨年来高値圏から反落して水準を切り下げたが、好業績を評価して出直りを期待したい。2月5日の終値は2149円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS204円18銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1806円33銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約1142億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)