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■国内ブランド400円、海外ブランド435円、過去最高値を記録
2025年のバレンタインチョコレートの価格が過去最高値を記録した。帝国データバンクの調査によると、全国の百貨店やショッピングモールで販売される150ブランドのチョコのうち、1粒当たりの平均価格は418円となり、前年の395円から5.8%上昇した。日本ブランドは400円、海外ブランドは435円といずれも大幅な値上げが行われ、2022年以降で初めて1粒400円を超えた。特に、日本ブランドの値上げ幅が前年から拡大し、過去3シーズンの推移で最大となった。
■カカオショックと円安が値上げの主因
今回の価格上昇の背景には、国際的なカカオ豆の価格高騰、いわゆる「カカオショック」がある。財務省の貿易統計を基にした推計では、原料のカカオ豆やカカオバターの輸入価格が前年比2~3倍に急騰。これに加え、円安による輸入コストの上昇、包装資材や輸送費の高騰も影響し、多くのブランドが価格引き上げに踏み切った。2025年のバレンタイン市場では、従来のような価格帯での提供が困難になりつつある。
価格の上昇に対し、メーカー各社は「減量値上げ」という手法を取り入れた。1箱当たりのチョコの個数を減らし、価格を抑える動きが広がっている。実際に、2025年のパッケージ価格は平均3,073円と前年比9.1%の値上げとなったが、内容量の変更により大幅な価格上昇を避けたブランドも多い。一方、百貨店「松屋」の調査では、バレンタインで「節約を意識しない」と回答した人が69.6%に上り、チョコレートの平均予算も前年より増加したことが明らかになった。
カカオの価格高騰や円安の影響は長期化するとみられ、今後もチョコレート製品の価格設定に影響を与え続ける可能性が高い。バレンタイン市場では、クッキーやカヌレなどのスイーツを販売するブランドも増え、チョコレートの価格高騰による消費者の動向変化に対応する動きが出てきている。また、3月のホワイトデー商戦でも、バレンタイン同様に高価格帯の傾向が続く見通しであり、各ブランドは価格戦略の見直しを迫られることになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)