投資家心は微妙:反対に動きたし乗り遅れたくもなし=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります

■投資家心は微妙:反対に動きたし乗り遅れたくもなし

投資家の心理はいつも揺れ動くものです。「人と同じことをするな」と教えられる一方で、逆に動いてしまうと利益を逃してしまうのではないか、せっかくのチャンスを見送ることになるのではないかという不安が頭をよぎります。

相場に関する基本的な原則やセオリーは確かに重要です。しかし、それがすべての局面に当てはまるとは限りません。学び、自分なりの原則を持つことは大切ですが、それが常に正解とは言い切れないのが相場の難しさです。長期的に見れば正しい理論でも、短期では通用しないことも多々あります。相場において、20年後や30年後に正しかったとしても、それでは意味がありません。投資の目線は、せいぜい3年が目安になるでしょう。

「景気→企業業績→株価」という基本の流れは重要ですが、常にその通りに動くわけではありません。例えば、2009年初頭、多くの専門家が「景気はさらに悪化し、日経平均は5000円台まで下がる」と予測しました。しかし実際には、株価は景気回復を先読みし、基本的な理論とは異なる動きを見せました。その時、教科書通りの動きをした投資家はチャンスを逃し、逆に動いた人が利益を手にしました。

現在も、「本格的な景気回復が進むから株価は上がる」という見方が主流ですが、「まだ回復には早い」と慎重な意見もあります。どちらが正解かは誰にも分かりません。

相場は人間社会の縮図とも言えます。理想的な世界では犯罪はなく、すべてが公平に進むはずですが、現実はそうではありません。投資の世界でも「乗り遅れたくない」という心理が働き、その結果、バブルが発生することもあります。多くの人が群がる時こそ、逆を行く勇気が求められるのです。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■コロナ禍前比2割減、運転手確保が喫緊の課題に  2024年、タクシー業界は深刻な危機に直面してい…
  2. ■前月比19.7ポイント増、昨年同期比でも11.6ポイント増と大幅上昇  学情<2301>(東証プ…
  3. ■生成AI人材が最注目、年収1,000万円超えも  ビジョナル<4194>(東証プライム)グループ…
2025年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

ピックアップ記事

  1. ■決算発表を控えた金関連株、消去法で選好される可能性も  米国の10年物国債利回りが一時上昇したも…
  2. ■米国第一主義の行方と市場の動揺、金価格は史上最高値へ  石破茂首相と穏かに共同記者会見をするトラ…
  3. ■業務効率化や生産性向上で目覚ましい成果  生成AIの導入が、日本の大手企業で加速している。パナソ…
  4. ■個人利用率わずか9%、中国の6分の1以下という現実  日本のデジタル化の遅れが、生成AI分野でも…
  5. ■不動産株投資、代替投資としての可能性に注目  新型コロナ感染症のパンデミック時にリモートワーク需…
  6. ■ムゲンエステート、ミガロホールディングスなど高値更新―富裕層のオルタナティブ投資が牽引  昔から…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る