And Doホールディングスは25年6月期2Q累計減益も通期増益予想据え置き、指標面の割安感は評価材料

 And Doホールディングス<3457>(東証プライム)は2月13日に25年6月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。ハウス・リースバック事業におけるファンドへの譲渡減少や、不動産売買事業における前期の高粗利案件の反動などにより減益だったが、通期増益予想を据え置いた。積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏でモミ合う形だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性があるものの、指標面の割安感も評価材料であり、下値限定的だろう。

■25年6月期2Q累計減益だが通期増益予想据え置き

 25年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比5.5%減の145億45百万円、営業利益が60.4%減の3億84百万円、経常利益が65.4%減の2億92百万円、親会社株主帰属四半期純利益が74.3%減の1億43百万円だった。ハウス・リースバック事業におけるファンドへの譲渡減少や、不動産売買事業における前期の高粗利案件の反動などにより減益だった。

 フランチャイズ事業は、売上高(調整前)が0.1%減の16億35百万円、利益(調整前営業利益)が1.1%減の9億80百万円だった。小幅減収減益だった。累計加盟店舗数は増加したが、開店店舗数が前年同期を下回った。累計加盟店数(レントドゥ含む)は6店舗増加して714店舗、累計開店店舗数は9店舗減少して626店舗となった。

 ハウス・リースバック事業は、売上高が17.7%減の105億80百万円、利益が24.5%減の11億84百万円だった。大幅減収減益だった。HLBファンドへの譲渡が減少した。契約件数は123件減少して475件、物件取得数は91件減少して517件、期末保有物件数は75件減少して637件、期末保有物件総額(退去分除く取得時価格累計)は17億77百万円減少して89億38百万円となった。なお営業外収益の匿名組合投資利益として計上しているHLBファンドからの利益分配4億67百万円(前年同期は2億05百万円)をセグメント業績に含めると、セグメント営業利益は6.9%減の16億52百万円となる。

 金融事業は売上高が28.7%増の2億84百万円、利益が215.0%増の88百万円だった。リバースモーゲージ保証(新規保証件数は23件減少して249件、保証残高は88億56百万円増加して252億12百万円)の伸長により大幅増収増益だった。なお不動産担保融資は戦略的に縮小(融資残高は3億18百万円減少して16億90百万円)している。

 不動産売買事業は売上高が15.3%増の218億39百万円、利益が18.4%減の13億86百万円だった。取引件数の増加(143件増加して571件)で増収だが、前期の高粗利案件の反動や人材投資の影響で減益だった。

 不動産流通事業は売上高が17.4%減の6億83百万円、利益が29.1%減の1億93百万円だった。店舗統合および成長強化事業への人員シフトに伴う仲介件数の減少(131件減少の753件)により大幅減収減益だった。

 リフォーム事業は、売上高が5.5%減の11億85百万円、利益が13.1%増の1億32百万円だった。契約件数は40件減少して730件、完工件数は67件減少して788件だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が145億45百万円で営業利益が3億84百万円、第2四半期は売上高が223億82百万円で営業利益が12億20百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年6月期比3.6%増の700億円、営業利益が11.5%増の40億円、経常利益が15.7%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が6.6%増の26億40百万円としている。配当予想については24年6月期比2円増配の45円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は33.9%となる。

 セグメント別利益(調整前営業利益)の計画は、フランチャイズ事業が9.4%増の22億円、ハウス・リースバック事業が1.3%増の32億50百万円、金融事業が128.2%増の2億40百万円、不動産売買事業が19.4%増の28億50百万円、不動産流通事業が10.0%減の5億20百万円、リフォーム事業が14.6%減の2億円としている。

 25年6月期も増収増益で連続増配予想としている。フランチャイズ事業は引き続き都市部の開発に注力し、人材やプロモーションへの積極投資を行う。ハウス・リースバック事業は不動産売買事業とのバランスを見つつ、取得件数の拡大を目指す。金融は保証残高の積み上げを加速し、付随する不動産取引の獲得によりグループ収益への貢献を目指す。不動産売買事業は回転率にも留意し、グループ業績の牽引役としてさらなる飛躍を図る方針だ。第2四半期累計(中間期)は減益だったが、積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大を期待したい。

■株価は戻り高値圏

 株価は戻り高値圏でモミ合う形だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する動きが優勢になる可能性があるものの、指標面の割安感も評価材料であり、下値限定的だろう。2月13日の終値は1214円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS132円62銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS865円07銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約242億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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