建設技術研究所は25年12月期増収増益予想、30年の売上目標値を上方修正

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は2月14日に24年12月期連結業績を発表した。投資強化による販管費増加等で減益だが、受注・売上高は過去最高と順調だった。そして25年12月期は増収増益予想とした。受注・売上高が順調に拡大し、販管費等の増加を吸収する見込みだ。また中長期ビジョンにおける30年の売上目標値を上方修正するとともに、新たに中期経営計画2027を策定した。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は戻り高値圏で上げ一服の形となったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■24年12月期受注・売上高は過去最高、25年12月期増収増益予想

 24年12月期の連結業績は売上高が23年12月期比5.0%増の976億78百万円、営業利益が6.1%減の93億96百万円、経常利益が6.1%減の95億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が10.5%減の67億46百万円だった。グループ全体の受注高は2.1%増の944億円だった。配当予想は23年12月期と同額の150円(期末一括)とした。配当性向は30.9%となる。

 投資強化(管理部門の人員増、研究開発投資など)による販管費増加等で減益だが、概ね計画水準だった。受注・売上高は過去最高と順調だった。

 セグメント別(セグメント間取引消去前)に見ると、国内建設コンサルティング事業は受注高が5.7%増の657億24百万円、売上高が3.8%増の669億45百万円、営業利益が3.7%減の86億10百万円、海外建設コンサルティング事業は受注高が5.4%減の286億76百万円、売上高が7.5%増の307億33百万円、営業利益が27.9%減の7億73百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高291億89百万円で営業利益61億07百万円、第2四半期は売上高215億57百万円で営業利益6億82百万円、第3四半期は売上高214億51百万円で営業利益5億66百万円、第4四半期は売上高が254億81百万円で営業利益が19億77百万円だった。

 25年12月期の連結業績予想は売上高が24年12月期比4.2%増の1000億円、営業利益が6.4%増の100億円、経常利益が4.9%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が2.3%増の69億円としている。グループ全体の受注高は5.9%増の1000億円の計画である。配当予想は75円(期末一括)としている。25年1月1日付の株式2分割を遡及換算すると24年12月期の75円(期末一括)と同額で、予想配当性向は30.2%となる。

 セグメント別(セグメント間取引消去前)の計画は、国内建設コンサルティング事業の受注高が1.9%増の670億円、売上高が3.1%増の690億円、営業利益が8.0%増の93億円、海外建設コンサルティング事業の受注高が15.1%増の330億円、売上高が0.9%増の310億円、営業利益が9.4%減の7億円としている

 25年12月期は増収増益予想とした。引き続き受注・売上高が順調に拡大し、販管費等の増加を吸収する見込みだ。また中長期ビジョンにおける30年の売上目標値を上方修正するとともに、新たに中期経営計画2027を策定した。国土強靭化関連など事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価(25年1月1日付で株式2分割)は戻り高値圏で上げ一服の形となったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。2月14日の終値は2556円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS248円55銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の75円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2213円71銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約724億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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