ケンコーマヨネーズは25年3月期3Q累計大幅増益、自己株式取得も発表
- 2025/2/17 09:53
- 決算発表記事情報

ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は2月14日に25年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増益だった。タマゴ加工品の売上回復によって生産効率が改善したほか、価格改定による利益率改善等も寄与した。そして通期の大幅増益予想(24年8月5日付で上方修正)を据え置いた。第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお2月17日の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)において自己株式を取得(上限107万株または20億33百万円)する。株価は水準を切り下げる形だったが、調整一巡感を強めている。好業績や自己株式取得を評価して出直りを期待したい。
■25年3月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性
25年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比5.1%増の705億37百万円、営業利益が97.3%増の45億90百万円、経常利益が93.6%増の46億98百万円、親会社株主帰属四半期純利益が96.5%増の32億44百万円だった。
大幅増益だった。タマゴ加工品の売上回復によって生産効率が改善したほか、価格改定による利益率改善等も寄与した。売上総利益率は3.2ポイント上昇、販管費比率は0.2ポイント上昇、営業利益率は3.0ポイント上昇した。営業利益の前年同期比22億64百万円増益の要因分析は、価格改定で10億35百万円増、販売数量増で2億46百万円増、原材料影響で8億81百万円増、生産効率向上で5億25百万円増、固定経費増加等で4億23百万円減だった。
調味料・加工食品事業(同社単体ベースの事業)は売上高(外部顧客に対する売上高)が6.1%増の555億14百万円、セグメント利益(セグメント間取引等調整前営業利益)が149.8%増の37億32百万円だった。売上高の内訳はサラダ・総菜類が1.5%減の162億69百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が2.6%増の210億66百万円、タマゴ加工品が20.5%増の167億80百万円、その他が1.4%増の13億98百万円だった。サラダ・総菜類は小容量サイズ商品等が伸長したが、ポテトサラダの減少で小幅減収だった。マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果に加え、量販店・外食向けマヨネーズが増加した。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大からの回復により大幅増収だった。
総菜関連事業等(連結子会社の事業)は、売上高が2.1%増の143億59百万円、利益が3.7%減の7億64百万円だった。価格改定や商品カテゴリー拡大等の効果で増収だが、原材料価格高騰の影響で小幅減益だった。その他(サラダカフェ)は売上高が4.6%減の6億62百万円、利益が92.0%増の8百万円だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が230億02百万円で営業利益が17億35百万円、第2四半期は売上高が234億53百万円で営業利益が14億59百万円、第3四半期は売上高が240億82百万円で営業利益が13億96百万円だった。
通期連結業績予想(24年8月5日付で上方修正)は据え置いて、売上高が24年3月期比3.7%増の920億円、営業利益が52.6%増の45億円、経常利益が50.0%増の46億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が16.4%増の31億85百万円としている。配当予想(24年8月5日付で第2四半期末2円、期末2円、合計4円上方修正)も据え置いて、24年3月期比8円増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。連続増配で予想配当性向は19.2%となる。
セグメント別売上高の計画は、調味料・加工食品事業が4.1%増の719億21百万円(サラダ・総菜類が4.1%減の209億97百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が1.7%増の274億55百万円、タマゴ加工品が15.5%増の216億63百万円、その他が24.3%増の18億06百万円)、総菜関連事業等が2.6%増の191億98百万円、その他(サラダカフェ)が3.3%減の8億78百万円としている。
通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高77%、営業利益102%、経常利益101%、親会社株主帰属当期純利益102%である。第3四半期累計の各利益が通期予想を超過達成していることを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は水準を切り下げる形だったが、調整一巡感を強めている。好業績や自己株式取得を評価して出直りを期待したい。2月14日の終値は1846円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS197円82銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2439円95銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約304億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)