マーケットエンタープライズは25年6月期2Q累計大幅増収で黒字転換、通期も大幅増収増益予想

 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は2月14日に25年6月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。大幅増収で各利益は黒字転換した。ネット型リユース事業とモバイル事業の拡大が牽引し、販管費増加などを吸収した。そして通期も大幅増収・大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は昨年来高値更新の展開で21年以来の高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年6月期2Q累計大幅増収で黒字転換、通期も大幅増収増益予想

 2月14日に発表した25年6月期第2四半期累計(中間期、24年7~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比比34.6%増の114億75百万円、営業利益が2億49百万円(前年同期は41百万円の損失)、経常利益が3億13百万円(同2億82百万円の損失)、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が1億53百万円(同6億27百万円の損失)だった。

 大幅増収で各利益は黒字転換した。ネット型リユース事業とモバイル事業の拡大が牽引し、販管費増加などを吸収した。営業利益の前年同期比2億90百万円増益の要因分析は、増益要因として増収要因で10億77百万円増、生産性向上による販管費比率改善で3億65百万円増、前期の拠点開設・移転関連一時費用解消で1億07百万円増、減益要因として本社移転関連一時費用で68百万円減、粗利益率低下で2億04百万円減、売上増に伴う販管費増加で9億87百万円減だった。営業外ではデリバティブ評価損益(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益)が3億05百万円改善(前期は評価損1億91百万円、当期は評価益1億13百万円)した。

 ネット型リユース事業は売上高が15.9%増の59億21百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が182.5%増の4億32百万円だった。売上高の内訳は総合リユースが22.1%増の45億99百万円、マシナリー(農機具)が1.6%減の13億百万円だった。マシナリーは海上運賃高騰に伴う買い控えの影響で減収だったが、総合リユースの個人向けリユースが大幅伸長し、おいくらも順調だった。

 メディア事業は売上高が19.4%減の2億66百万円、利益が10.8%減の1億37百万円だった。Google社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響が継続して減収減益だった。

 モバイル通信事業は売上高が71.5%増の53億38百万円、利益が54.5%増の2億73百万円だった。新規回線獲得が順調だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が54億92百万円で営業利益が69百万円、第2四半期は売上高が59億83百万円で営業利益が1億80百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が24年6月期比21.0%増の230億円、営業利益が134.3%増の7億円、経常利益が6億50百万円(24年6月期は40百万円)、親会社株主帰属当期純利益が3億30百万円(同4億76百万円の損失)としている。

 生産性向上施策の進捗と24年4月以降の増員効果などにより大幅増収・大幅増益予想としている。通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50%、営業利益が36%、経常利益が48%、親会社株主帰属当期純利益が47%である。利益進捗率がやや低水準の形だが、これは、同社の収益構造として引越シーズンを含む3月~5月が需要のピーク期であるため下期の構成比が高くなる季節要因のほか、当期は第1四半期に本社移転関連の一時費用が発生したことが主因である。

 なおデリバティブ評価損益については算定困難なため見込んでいないが、SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約について、2月14日付でSBI証券に対して、25年2月21日を期限前解約基準日として一部期限前解約を通知したことを発表した。この一部解約により評価損益が一部確定することになる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は昨年来高値更新の展開で21年以来の高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月14日の終値は1637円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円84銭で算出)は約26倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS164円84銭で算出)は約9.9倍、そして時価総額は約87億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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