日本トリムの電解水透析システム、国内1000床導入を達成

■水素分子の抗酸化作用が鍵、透析患者の負担軽減に貢献

 日本トリム<6788>(東証プライム)は、2025年2月に「電解水透析システム」の国内導入床数が1000床を達成したと発表した。これにより、約3,000名の透析患者がこの新たな透析法の恩恵を受けることとなる。日本トリムは、透析患者の生活の質(QOL)向上を目的に、電解水透析の普及を推進している。同システムは、水素分子(H2)の抗酸化作用を活用し、酸化ストレスや炎症を抑制することが期待されている。

 日本では世界トップクラスの透析治療が行われているものの、透析患者の平均余命は一般人の約半分とされ、特に心血管疾患が主要な死因となっている。透析治療中の酸化ストレスや炎症が動脈硬化を促進することがその一因とされる。日本トリムは、この問題に対処するため1995年より研究を進め、台湾大学や九州大学、東北大学との共同研究を経て電解水透析技術を開発した。2011年には製品化され、透析患者の疲労軽減や副次的な合併症リスクの低減が確認されている。

 電解水透析は、聖路加国際大学や東北大学をはじめとする国内外の研究機関との共同研究を経て、安全性と有用性が実証されている。2021年の研究では、透析関連疲労の大幅な軽減が報告され、2022年には透析液中の水素濃度が疲労軽減に与える影響について新たな知見が得られた。日本トリムは、今後もさらなる臨床データの蓄積と技術向上を図りながら、国内のみならず国際的な標準治療としての普及を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■企業の半数以上が生成AIを活用、一方で会計事務所の6割は未経験  ミロク情報サービス(MJS)<…
  2. ■2025年から日米でプロモーション展開、東京シリーズでキャンペーンも  伊藤園<2593>(東証…
  3. ■360度カメラ映像と3Dモデルを組み合わせ、作業員の動きも把握  東洋建設<1890>(東証プラ…
2025年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

ピックアップ記事

  1. ■割安水準に放置されている銘柄は?  今週の当コラムでは、材料株マニア向けにコメ・卵価格高騰関連株…
  2. ■日経平均4万円は幻か?「前門の虎、後門の狼」でレンジ相場続く  「冬来たりなば春遠からじ」という…
  3. ■決算発表を控えた金関連株、消去法で選好される可能性も  米国の10年物国債利回りが一時上昇したも…
  4. ■米国第一主義の行方と市場の動揺、金価格は史上最高値へ  石破茂首相と穏かに共同記者会見をするトラ…
  5. ■業務効率化や生産性向上で目覚ましい成果  生成AIの導入が、日本の大手企業で加速している。パナソ…
  6. ■個人利用率わずか9%、中国の6分の1以下という現実  日本のデジタル化の遅れが、生成AI分野でも…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る