【株式評論家の視点】アライドテレシスHDはミニゴールデンクロス示現、12月の配当権利付、利回り2%と魅力的

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

アライドテレシスホールディングス<6835>(東2)は、12月19日(金)前日と変わらずの96円。25日移動平均線がサポートする形で、12月配当権利取りから底堅い動きとなっている。

同社は、持株会社として、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売および保守を事業内容とするグループ全体の事業戦略策定や経営管理を行っている。アライドテレシスグループは、IPネットワークとそのテクノロジーに関する開発と販売を中心とした企業群がグローバルに構成され、全世界をマーケットに事業展開している。最先端のIP・イーサネットのシステムとソリューションを提供することに、グループ全体で積極的に取り組んでいる。

足元の業績は、2014年12月期第3四半期業績が売上高206億9300万円(前年同期比6.6%増)、営業損益22億6900万円の赤字(同32億7600万円の赤字)、経常損益18億7600万円の赤字(同20億6400万円の赤字)、最終損益21億7300万円の赤字(同23億4700万円の赤字)に着地。医療機関向けソリューションや監視カメラソリューションなどの受注が好調。日本国内では医療機関と製造業向けが引き続き堅調に推移、7~8月には文教市場向けの受注が増加。米州では公共案件の再開などから販売が好調。中南米では債務問題を抱えるアルゼンチンなどで販売が伸び悩む一方、ブラジルでの売上が伸長。アジア・オセアニアにおいてはニュージーランドや韓国の公共案件販売をはじめ受注が好調に推移し、全体の売上高は増加。為替変動の影響による売上原価や海外経費の増加がみられたが、ソリューション営業の効果として高付加価値製品やサービスの売上が増加したことや、販売費および一般管理費の削減などが奏功し、前年同期に比べ赤字幅を縮小した。

同社グループは、経営戦略の柱の一つであるソリューションビジネスを積極的に推進するとともに、アジア、ラテンアメリカおよび中東における新興市場での新規顧客開拓に注力しているほか、顧客のIT導入やIT運用を支援する新規サービスの開発・提供を開始している。2014年12月期業績予想は売上高343億円(前期12億8400万円の赤字)、営業損益7億円の黒字(同12億8400万円の赤字)、経常利益5億5000万円(同27.8%減)、純利益1億円(同4.8%増)を見込んでいる。年間配当は期末一括2円を予定している。

株価は、1月10日につけた年初来の高値126円から5月21日安値76円と調整。その後、8月11日安値80円、10月17日安値80円と売り直されて下値を確認。アライドテレシスの「AMF(Allied Telesis Management Framework」が、「iCMGArchitechture Award 2014」のITインフラ(データセンター、ネットワーク、セキュリティー)分野において最優秀賞の受賞を手がかりに、12月8日高値123円と上昇。年初来高値に迫ったことで上げ一服となっているが、日足では25日移動平均線がサポートした感があり、トレンドは崩れていない。自治体や学校等に監視カメラソリューションの需要拡大が見込まれており、2015年12月期業績は回復基調を強めるとの期待感が高まる。配当利回り2%で利回り妙味はソコソコあり、12月権利付き最終日を目前に控え期間利回り妙味が増す。ここからの押し目は注目されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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