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■長年フジテレビを支えた重鎮が退任、ガバナンス強化と信頼回復に向けた動き
フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)は2月27日、経営諮問委員会の委員変更を開示情報で発表した。最大の注目点は、長年フジテレビの経営を支えた日枝久氏が辞任したことだ。日枝氏はフジサンケイグループ内で大きな影響力を持ち、フジテレビの発展に寄与してきたが、今回の辞任によって同社の経営体制はさらに変化を遂げることになる。近年、フジ・メディア・ホールディングスはコーポレート・ガバナンスの強化を進めており、独立社外取締役が過半数を占める経営諮問委員会を2023年に設置した。今回の人事は、その改革の一環といえる。
■経営改革の加速と新たな経営陣の台頭
今回の委員変更では、清水賢治氏が新たに委員に加わった。清水氏は現在、フジテレビジョンの代表取締役社長を兼務しており、テレビ局の実務に精通した人物として期待されている。また、フジ・メディア・ホールディングスは、信頼回復に向けて「経営刷新小委員会」を設置し、さらなる経営戦略の見直しを進めている。これに加え、フジテレビジョンでは「再生・改革プロジェクト本部」を立ち上げ、中堅・若手社員を中心とした組織改革を推進中である。これらの動きは、過去の経営体制からの脱却と新たな成長戦略を模索する姿勢の表れといえる。
■株主優待制度の変更と今後の展望
同社は経営改革と並行し、株主優待制度の見直しも実施した。従来の優待内容に加え、100株以上の株主には特製QUOカード(1,000円分)を提供するなど、株主にとっての魅力向上を図る。さらに、1,000株以上を5年以上保有する株主には関連会社施設の入場券を提供し、長期保有を促す狙いがある。これらの変更は2025年3月31日現在の株主名簿に基づいて適用される。フジ・メディア・ホールディングスは、今後もガバナンス強化と経営改革を進め、信頼回復と事業成長を目指す方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)