【株式市場特集】市場不安定時に光る地方創生株と重複上場銘柄の可能性、不透明相場でしぶとさ見せる

■「トランプ・ディール」懸念下での投資価値、重複上場株の割安性

 今週のコラムでは、米国景気の減速懸念など不透明な市場環境の中、意外にしぶとさを見せる重複上場銘柄に注目する。2023年以来25社を数え、その多くが東証スタンダード銘柄だ。東証の上場基準には達していないが投資バリュー的には割安な銘柄が多い。さらに「元祖地方創生関連株」であるふるさと納税関連銘柄も再注目される可能性があり、小規模ながらも特異性のある投資機会として期待できる。

■名証M上場の21銘柄中、東証S市場の11銘柄が低PER・PBR、高配当利回り

 2023年以来の重複上場銘柄の25銘柄の内訳は、東証スタンダード(S)市場から名証メイン(M)市場が17銘柄、東証グロース(G)市場から名証メイン市場が3銘柄、東証プライム市場から名証メイン市場が2銘柄、東証プライム市場から福証本則市場が1銘柄、東証スタンダード市場から福証本則市場が2銘柄、東証グロース市場から福証本則市場が1銘柄となっており、このなかに福証本則市場と名証メイン市場へのダブルの重複上場の2銘柄が含まれる。東証S市場やG市場から名証M市場へ重複上場した21銘柄のうち投資採算的に割安な銘柄をコード番号順にあげるとジェイテック<2479>(東証グロース)、マリオン<3494>(東証スタンダード)、川口化学工業<4361>(東証スタンダード)、川上塗料<4616>(東証スタンダード)、トーヨーアサノ<5271>(東証スタンダード)、イトーヨーギョー<5287>(東証スタンダード)、アマテイ<5952>(東証スタンダード)、ジェイエスエス<6074>(東証スタンダード)、宇野澤組鉄工所<6396>(東証スタンダード)、ミアヘルサホールディングス<7129>(東証スタンダード)タカチホ<8225>(東証スタンダード)の11銘柄で、PERは5倍~14倍、PBR1倍割れ銘柄も多く、ジェイエスエスの配当利回りは4.13%になる。また福証本則市場へ重複上場のLAホールディングス<2986>(東証グロース)はPER8倍、配当利回り4.94%、アクセスグループ・ホールディングス<7042>(東証スタンダード)は、同じく7.5倍、3.25%の評価でしか過ぎない。

 ユー・エム・シー・エレクトロニクス<6615>(東証プライム)は、東証プライム市場から名証メイン市場への重複上場でPER8倍、PBR0.6倍、配当利回り3.3%で、東証プライム市場から名証メイン市場、福証本則市場の両市場に重複上場の日鉄ソリューションズ<2327>(東証プライム市場)は、投資採算的には割高だが今3月期業績を2回上方修正し配当も増配、積極的な中期経営計画も策定している。ネクストジェン<3842>(東証スタンダード)は、東証グロース市場から東証スタンダード市場への市場区分変更とともに、名証メイン市場への重複上場を同時発表した。

■地方創生関連株は元祖ふるさと納税関連株に地域コミュニティ誌発行株も浮上

 地方創生関連株は、ふるさと納税関連株と地域コミュニティ誌・紙発行株の動きがこのところやや強含みに変わっている。昨年12月19日に全国約1000の自治体が参画し、登録返礼品約30万を擁する「Amazonふるさと」納税がスタートし、今年10月には仲介サイトによるポイント付与が禁止されることが引き金となっている。業界最大サイトの「ふるさとチョイス」を子会社が運営するチェンジホールディングス<3962>(東証プライム)のPER10.7倍、ふるさと納税事業「ふるなび」に今秋、コト消費の「ふるなびトラベル予約」サイトを追加のアイモバイル<6535>(東証プライム)は、PER9.3倍、配当利回り5.42%と割安である。

 地域情報誌・コミュティ紙発行株では、中広<2139>(東証スタンダード)、サイネックス<2376>(東証スタンダード)、タウンニュース社<2481>(東証スタンダード)が値ごろ妙味のある割安株でPERは9倍~15倍と市場平均を下回る。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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