【注目銘柄】Smile Holdingsは高配当利回りの初配当を見直し押し目買いも一法

■赤字予想から一転増益へ!高配当株として市場の注目集める

 Smile Holdings<7084>(東証グロース)は、前日10日に11円安の1532円と反落して引けた。同社株は、今年2月28日に窓を開けて昨年来高値1723円まで急伸し、高値で売り買いが交錯するスピード調整を続けているが、目先の利益を確定する売り物が優勢となった。ただこの株価急伸は、昨年9月に続き今年2月24日に今2025年3月期業績を2回上方修正し、今年2月25日には今期の初配当も発表したことによるもので、この初配当の配当利回りは、6.2%と東証グロース市場の配当利回りランキングでトップにランクされることから押し目買いも一法となりそうだ。また開始時期を今期から来期にずらした新規事業の産後ケアサーブス事業も、高事業成長率が期待されることも、合わせて買い手掛かり視される可能性もある。

■新規事業のずれ込みで今期業績を再上方修正し初配当は95円

 同社の今2025年3月期業績は、昨年6月に開示され売り上げ129億円(前期比0.3%増)、営業利益1億円の赤字(前期は2億3200万円の黒字)、経常利益1億3000万円の赤字(同3億1100万円の黒字)、純利益1億3000万円の赤字(同1億3200万円の黒字)と赤字転落を予想していた。新規事業の産後ケアサービスを今期第3四半期(2025年1月~3月期)にスタートさせる予定で、新規事業の投資負担や工事費用の増加などがあり、保守的は業績予想となった。ただ同事業の開始は、来期第1四半期(2026年4月~6月期)にずれ込むことから業績を昨年9月、今年2月と相次いで上方修正し、売り上げ131億円(前期比1.0%増)、営業利益2億4000万円(同3.4%増)、経常利益2億5000万円(同19.6%減)、純利益1億3500万円(同2.2%増)と増益転換を予想した。

 また、配当政策としてDOE(株主資本配当率)の目安を4~5%の範囲内としたことから今期の年間初配当は95円と高配当を予定している。現在推進中の中期経営計画では、産後ケアサービスは、2026年3月期の売り上げ6億円、営業利益1億5200万円、施設2カ所が、2030年3月期には売り上げ80億円、営業利益20億円、施設16カ所を目標にしており、高事業成長率が期待される。

■配当利回りは6.2%と市場トップでインカムゲインとキャピタルゲインを内包

 株価は、今期業績の赤字開示に昨年8月の日経平均株価の急落が重なって上場来安値682円と売られたが、その後の四半期業績の好調推移や業績上方修正でリバウンド幅を拡大し初配当発表とともに2日連続のストップ高を交え昨年来高値1723円まで上昇した。PERは36.5台と市場平均を上回るが、PBRは0.78倍と東証グロース市場の低PBRランキングの第14位、配当利回りは6.2%と東証グロース市場のランキングトップと割安であり、インカムゲインとともに昨年来高値奪回から上値追いを続ける値幅効果のキャピタルゲインも期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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