
■短期間での施工と高耐久性を実現、鉄道インフラの未来を拓く
JR西日本(西日本旅客鉄道)<9021>(東証プライム)は3月12日、老朽化した駅舎の建替えに際し、建設用3Dプリンターを活用した駅舎建設を世界で初めて実施すると発表。JR西日本イノベーションズおよびセレンディクスと連携し、最新技術を用いた駅舎の建設に取り組む。同プロジェクトの第1弾として、JR紀勢本線・初島駅(和歌山県有田市)において、新たな駅舎を建設する計画が決定した。
新駅舎は鉄筋コンクリート製の平屋建てで、3Dプリンターによるパーツ出力後、現地で組み立てる方式を採用。施工時間は終電から始発までの約6時間を想定しており、従来工法と比較して工期の短縮が可能となる。さらに、型枠を必要としないためデザインの自由度が向上し、地域の特色を反映した外装が実現できる。初島駅では、有田市の名産である「みかん」や「たちうお」をモチーフにした装飾が施される予定である。
今後、同プロジェクトでは、コスト面や維持管理の効率を詳細に検証し、他の駅への展開を検討する。3Dプリンター技術の活用により、鉄道施設の更新を促進し、労働力不足への対応を図ることで、持続可能な鉄道インフラの実現を目指す。JR西日本は今後も最先端技術を活用し、地域社会と共生する鉄道サービスの提供に取り組んでいく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)