【編集長の視点】エスペックは最高純益を伸ばす業績上方修正と増配を手掛かり割安修正が続き6連騰

■「あいち次世代モビリティ・ラボ」が業績に新たな推進力を付与

 エスペック<6859>(東証プライム)は、前日12日に27円高の2488円と6営業日続伸して引けた。今年3月7日に発表した今2025年3月期の上方修正、連続の過去最高純利益更新と期末配当の増配を手掛かりに割安修正買いが増勢となった。テクニカル的には、5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、業績実態的には、今年2月12日に国内最大級の車載用バッテリーの試験所として開設した「あいちバッテリー安全認証センター」(愛知県常滑市)など「あいち次世代モビリティ・ラボ」が、サービスを開始したことも、次期業績への寄与期待を高めて側面支援材料視されている。

■環境試験器が自動車向けに好調に推移し半導体装置もサーバー向け大型案件

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを15億円、営業利益を3億円、経常利益を4億円、純利益を6億円それぞれ引き上げ、売り上げ665億円(前期比7.0%増)、営業利益73億円(同10.8%増)、経常利益76億円(同9.8%増)、純利益58億円(同16.7%増)と続伸を見込み、純利益は、前期の過去最高(49億6900万円)を大幅に連続更新する。地政学リスクなどによるプライチェーン見直しで国内生産回帰が強まり生産能力増強投資が続いており、環境事業では環境試験器がカスタム製品を中心に自動車向けに好調に推移し、半導体関連装置もサーバー向けの大型案件の受注が寄与し、サービス事業では車載用バッテリーを中心に受託試験が好調に推移しており、純利益は、政策保有株の縮減による有価証券売却益がオンして増益率を伸ばす。

 今期配当は、連結配当性向30%に加え、現金及び現金同等物の残高が、配当、法人税、運転資金、設備投資、戦略投資などの予定必要資金を超過した場合に超過金額の3分の1をメドに配当に上乗せする配当方針に従って、期末配当を期初予想の45円から60円に引き上げ、年間95円(前期実績75円)への連続の大幅増配を予定している。

■ミニGC示現でPER9倍、PBR0.9倍、配当利回り3.8%の修正に拍車

 株価は、今期業績の連続過去最高更新予想で昨年来高値3340円まで買われ、昨年8月の相場急落時には昨年来安値2146円と売られたが、その後の四半期業績の続伸着地でも上値反応し、2500円台を下限とする300円幅のボックス往来を続けてきた。年明け後も今期第3四半期の2ケタ続伸業績を受け2564円と高値反応したが、全般相場調整とともに2268円と下値を確認する動きとなった。この安値からの持ち直しで5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。PERは9.36倍、PBRは0.97倍、配当利回りは3.81%と割安であり、まず今年1月の年初高値2722円を奪回し、昨年来高値3340円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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