ベステラは26年1月期も大幅増収増益で大幅増配予想、老朽化インフラ需要で中長期的な事業環境良好
- 2025/3/13 09:33
- 決算発表記事情報

ベステラ<1433>(東証プライム)は3月12日に25年1月期連結業績を発表した。前回予想を下回ったものの、前期比大幅増収増益で着地した。プラント解体事業の好調が牽引した。そして26年1月期も大幅増収増益予想で、配当は大幅増配予想としている。老朽化プラント解体工事の増加で中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお株式交付により4月15日付(予定)で、同社の筆頭株主であるTERRA・ESHINO社(以下、テラエシノ、同社創業家の資産管理会社)を子会社化する。また株式交付完了後にテラエシノを吸収合併予定である。株主の透明性改善や株式の流動性向上などにより、企業価値の向上や上場維持基準への適合を目指す。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。
■25年1月期大幅増収増益、26年1月期も大幅増収増益で大幅増配予想
25年1月期の連結業績は、売上高が24年1月期比16.0%増の108億97百万円、営業利益が51.3%増の3億73百万円、経常利益が45.2%増の5億92百万円、親会社株主帰属当期純利益が77.3%増の4億09百万円だった。配当は24年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。配当性向は43.2%となる。
前回予想(24年9月5日付で経常利益と当期純利益を2回目の上方修正、売上高110億円、営業利益5億円、経常利益6億50百万円、親会社株主帰属当期純利益4億80百万円)を下回ったものの、前期比大幅増収増益で着地した。グループ会社の業績は低調だったが、同社本体のプラント解体事業の好調が牽引した。なお特別利益に投資有価証券売却益1億67百万円、事故損害受取保険金1億24百万円、特別損失に減損損失1億03百万円、事故損害補償損失1億15百万円を計上した。
セグメント別(全社費用等調整前)に見ると、プラント解体事業(同社単体)は売上高が19.6%増の90億38百万円で営業利益が127.1%増の5億77百万円、その他事業(グループ会社)の売上高が2.9%増の19億32百万円で営業利益が1億40百万円の損失(24年1月期は53百万円)だった。
完成工事高(24年1月期比16.0%増の105億95百万円)の業界別構成比は電力が28%、製鉄が23%、石油・石化が35%、ガスが2%、3Dが1%、環境が4%、その他が7%だった。完成工事高に占める元請案件は39億14百万円で元請比率は37%となった。25年1月期は低利益率の大型元請工事の影響で元請工事利益率が一時的に低下した。同社単体ベースの工事監督者1人当たり完成工事高は16百万円減少して114百万円となった。
受注高は16.8%減の107億05百万円、期末受注残高は1.6%増の71億97百万円だった。受注残高の業界別構成比は電力が17%、製鉄が51%、石油・石化が26%、ガスが1%、環境が2%、その他が3%である。受注高は前年の長期大型案件受注の反動で減少したが、繰越工事高(受注残高)は高水準である。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が29億58百万円で営業利益が17百万円、第2四半期は売上高が28億09百万円で営業利益が1億94百万円、第3四半期は売上高が22億37百万円で営業利益が79百万円の損失、第4四半期は売上高が28億93百万円で営業利益が2億41百万円だった。
26年1月期の連結業績予想は、売上高が25年1月期比19.3%増の130億円、営業利益が221.2%増の12億円、経常利益が116.2%増の12億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が119.6%増の9億円としている。配当予想は25年1月期比10円増配の30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は29.5%となる。
26年1月期も大幅増収増益予想で、配当は大幅増配予想としている。豊富な受注残を背景として引き続きプラント解体事業が好調に推移する見込みだ。なおグループ会社の不採算事業については、事業の選択と集中により事業の統廃合・売却等を検討する。老朽化プラント解体工事の増加など中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は調整一巡して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。3月12日の終値は1000円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS101円57銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS546円88銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約90億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)