巴工業は25年10月期1Q大幅増益、通期小幅増益予想だが上振れ余地

 巴工業<6309>(東証プライム)は3月13日に25年10月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増収増益だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も順調だった。通期の小幅増益予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率が高水準であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■25年10月期1Q大幅増益、通期小幅増益予想だが上振れ余地

 25年10月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比24.3%増の150億86百万円、営業利益が60.1%増の17億93百万円、経常利益が55.2%増の18億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.2%増の12億37百万円だった。大幅増収増益だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も順調だった。

 機械製造販売事業は売上高が73.2%増の42億74百万円、営業利益が3.8倍の8億58百万円だった。売上高の内訳は需要先別には国内官需が70.3%増の14億24百万円、国内民需が2.2倍の13億69百万円、海外が48.7%増の14億80百万円で、製品別には機械が2.7倍の12億58百万円、装置・工事が2.3倍の6億57百万円、部品・修理が37.7%増の23億58百万円だった。国内外とも大幅伸長して大幅増収増益だった。

 化学工業製品販売事業は売上高が11.8%増の108億12百万円、営業利益が4.4%増の9億35百万円だった。製品別売上高は、合成樹脂関連が全般的な伸び悩みで16.6%減の9億88百万円、工業材料関連が建材・耐火物向け材料等の好調で8.3%増の16億55百万円、鉱産関連が建材・自動車用途を中心に大幅伸長して78.6%増の30億19百万円、化成品関連がコーティング用途材料の好調で23.1%増の27億72百万円、機能材料関連が半導体製造用途材料の伸び悩みで21.7%減の13億10百万円、電子材料関連が半導体組立用途材料の伸び悩みで14.5%減の10億65百万円だった。その他(洋酒等)が0百万円(前年同期は94百万円)だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年10月期比9.4%増の570億、営業利益が5.5%増の49億60百万円、経常利益が4.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が0.1%増の36億20百万円としている。配当予想は24年10月期比1円増配の146円(第2四半期末73円、期末73円)としている。予想配当性向は40.2%となる。

 セグメント別計画は機械製造販売事業の売上高が20.0%増の156億円で営業利益が23.8%増の14億70百万円、化学工業製品販売事業の売上高が5.8%増の414億円で営業利益が0.7%減の34億90百万円としている。化学工業製品販売事業が販管費増加で微減益だが、機械製造販売事業の大幅伸長が牽引する見込みだ。

 第1四半期の進捗率は売上高26%、営業利益36%、経常利益36%、親会社株主帰属当期純利益34%と高水準であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。3月13日の終値は3900円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS362円79銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の146円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3943円70銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約411億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■バイオマス発電所で自動運転実証、135トンの燃料運搬に成功  大林組<1802>(東証プライム)…
  2. ■小規模店の淘汰進むも、残存者は付加価値戦略で業績回復  帝国データバンクの調査によると、2024…
  3. ■企業独自のシステム統合とカスタマイズ可能なAIエージェントを実現  ソフトバンクグループ<998…
2025年3月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

ピックアップ記事

  1. ■年初から57銘柄が優待新設、40銘柄超が拡充・変更  株主優待制度は従来、配当増加や自社株買いと…
  2. ■『マッチポンプ』相場の処方箋、トヨタの優待新設に見る『安全投資』の行方  「まるでマッチポンプ」…
  3. ■「トランプ・ディール」懸念下での投資価値、重複上場株の割安性  今週のコラムでは、米国景気の減速…
  4. ■見直される株主優待制度と重複上場戦略の新展開  ジャパニーズ・スタンダード(日本基準)とグローバ…
  5. ■自己株式取得が救世主に?逆風相場で輝く銘柄を発掘  今週の当コラムは今年1月以降に自己株式取得を…
  6. ■植田日銀総裁vsトランプ大統領、市場は「トランプ・リスク」に戦々恐々  「金曜日の引けピン」とい…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る