巴工業は25年10月期1Q大幅増益、通期小幅増益予想だが上振れ余地
- 2025/3/14 09:31
- 決算発表記事情報

巴工業<6309>(東証プライム)は3月13日に25年10月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増収増益だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も順調だった。通期の小幅増益予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率が高水準であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。
■25年10月期1Q大幅増益、通期小幅増益予想だが上振れ余地
25年10月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比24.3%増の150億86百万円、営業利益が60.1%増の17億93百万円、経常利益が55.2%増の18億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.2%増の12億37百万円だった。大幅増収増益だった。機械製造販売事業が大幅伸長し、化学工業製品販売事業も順調だった。
機械製造販売事業は売上高が73.2%増の42億74百万円、営業利益が3.8倍の8億58百万円だった。売上高の内訳は需要先別には国内官需が70.3%増の14億24百万円、国内民需が2.2倍の13億69百万円、海外が48.7%増の14億80百万円で、製品別には機械が2.7倍の12億58百万円、装置・工事が2.3倍の6億57百万円、部品・修理が37.7%増の23億58百万円だった。国内外とも大幅伸長して大幅増収増益だった。
化学工業製品販売事業は売上高が11.8%増の108億12百万円、営業利益が4.4%増の9億35百万円だった。製品別売上高は、合成樹脂関連が全般的な伸び悩みで16.6%減の9億88百万円、工業材料関連が建材・耐火物向け材料等の好調で8.3%増の16億55百万円、鉱産関連が建材・自動車用途を中心に大幅伸長して78.6%増の30億19百万円、化成品関連がコーティング用途材料の好調で23.1%増の27億72百万円、機能材料関連が半導体製造用途材料の伸び悩みで21.7%減の13億10百万円、電子材料関連が半導体組立用途材料の伸び悩みで14.5%減の10億65百万円だった。その他(洋酒等)が0百万円(前年同期は94百万円)だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年10月期比9.4%増の570億、営業利益が5.5%増の49億60百万円、経常利益が4.7%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が0.1%増の36億20百万円としている。配当予想は24年10月期比1円増配の146円(第2四半期末73円、期末73円)としている。予想配当性向は40.2%となる。
セグメント別計画は機械製造販売事業の売上高が20.0%増の156億円で営業利益が23.8%増の14億70百万円、化学工業製品販売事業の売上高が5.8%増の414億円で営業利益が0.7%減の34億90百万円としている。化学工業製品販売事業が販管費増加で微減益だが、機械製造販売事業の大幅伸長が牽引する見込みだ。
第1四半期の進捗率は売上高26%、営業利益36%、経常利益36%、親会社株主帰属当期純利益34%と高水準であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。3月13日の終値は3900円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS362円79銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の146円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3943円70銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約411億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)