【どう見るこの株】ZACROS、経産省補助金追い風に最高値視界!GC示現で上昇トレンド本格化か?

■補助金交付を追撃材料に割安修正買いが続き5連騰

 ZACROS<7917>(東証プライム)は、前日18日に35円高の4365円と5営業日続伸して引け、取引時間中には4420円と買われる場面があり、昨年7月17日につけた戻り高値4630円を視界に捉えた。今年3月12日に発表した経済産業省から交付された補助金が追撃材料となって、今3月期業績の上方修正や自己株式取得を見直し割安修正買いが増勢となった。テクニカル的にも、足元の株価のリバウンドで25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、サポート材料視されている。

■大画面液晶向けの偏光板フィルムの生産ライン増設に171億円投資

 経産省の「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、同社が沼田事業所で進めている3メートル偏光板プロテクトフィルムの生産ライン増設工事が対象となっており、液晶ディスプレイ製品の大画面化と世界的な需要拡大に対応し既存塗工機の改造と大画面用の新塗工機を新設するもので、総投資額は当初の145億円が171億円に増額されている。経産省の補助金は、40億円として交付される。

 一方、今2025年3月期業績は、昨年8月に上方修正され売り上げ1500億円(前期比10.2%増)、営業利益105億円(同25.8%増)、経常利益110億円(同23.5%増)、純利益67億円(同47.8%増)と連続の2ケタ増益が予想されている。今年2月6日に発表された今3月期第3四半期(2024年4月~12月期、3Q)業績は売り上げ1133億8700万円(前年同期比11.4%増)、営業利益83億6900万円(同31.2%増)、経常利益85億8600万円(同23.3%増)、純利益52億900万円(同68.2%増)で着地し、通期予想業績に対する利益進捗率は、78%~79%と目安の75%を上回っており、今回の経産省の補助金交付も加わり業績上ぶれ期待を高めている。今期配当は、年間126円(前期実績84円)と大幅増配を予定している。なお3Q決算とともに自己株式取得も発表し、取得株式数を50万株(発行済み株式総数の2.69%)、取得総額を20億円、取得期間を今年2月7日から9月30日までとして推進中である。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆しPER12倍、PBR0.9倍の修正に再発進

 株価は、昨年8月の全般相場急落時に突っ込んだ昨年来安値3580円から今期業績の上方修正で4530円へリバウンドし、今期第2四半期決算発表時には業績修正がないとことが期待外れとなり3835円まで再調整し、第3四半期の高利益進捗率業績と自己株式取得が歓迎されて4200円台を回復し、経産省の補助金交付で4420円と上値を伸ばし、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは12.1倍、PBRは0.90倍、配当利回りは2.88%と割安であり、昨年12月高値4350円を上抜いたここからは、同11月高値4475円が次の上値フシとなるが、ブレークで弾みをつけ昨年来高値4635円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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