古野電気、世界初となるリモートでのVDR年次性能試験に成功、船舶管理の新たな時代

■時間とコスト削減、安全な航海を支える技術革新

 古野電気<6814>(東証プライム)は3月25日、船舶向けリモートモニタリング&トラブルシューティングプラットフォーム「HermAce」を使用し、遠隔による航海情報記録装置の年次性能試験(VDR Remote APT)に世界で初めて成功したと発表。この試験は、一般財団法人日本海事協会登録船において実施されたもので、海事産業におけるデジタル技術の活用を大きく前進させるものだ。

 「HermAce」は、船舶に搭載された航海機器や通信機器のデータをリアルタイムで陸上に収集・保存・監視するサービスだ。デジタルツイン技術を用いることで、仮想空間上に船舶の複製を再現し、遠隔からの機器監視や保守を可能にする。今回の試験では、パナマ船籍のバルクキャリア「SOUTHERN CROSS」において、VDRの年次性能試験を遠隔で実施し、その有効性が実証された。

 VDRの年次性能試験は、従来、有資格者が船舶を訪問して実施する必要があった。しかし、「HermAce」の導入により、オンライン環境を通じて事務所からでも試験が可能になる。これにより、時間とコストの削減、さらにはエンジニアの訪問が困難な地域やタイミングでの試験実施も可能になる。古野電気は、今回の成功を機に、デジタル技術を活用した試験手法のさらなる普及に期待を寄せている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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