■新施策導入によるリユース促進へ

　愛知県知多市（市長：宮島壽男）とマーケットエンタープライズ＜３１３５＞（東証プライム）は、２０２５年３月２５日（火）に、地域社会の課題解決を目的としたリユース事業に関する協定を締結し、連携を開始すると発表。マーケットエンタープライズが運営するリユースプラットフォーム「おいくら」を活用し、不要品を廃棄せずに再利用する仕組みを構築することで、知多市の廃棄物削減と循環型社会の形成を目指す。

■背景・経緯

　知多市では、過去にフリーマーケットを開催するなど、リユース促進に取り組んできた。しかし、粗大ごみとして廃棄される不要品の中にはリユース可能なものが多く含まれており、さらなるリユース促進に向けた新たな施策導入の可能性を模索していた。一方、マーケットエンタープライズは、リユース事業を中心にネット型事業を展開し、「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げている。「地方創生ＳＤＧｓ官民連携プラットフォーム」への参画や、「楽器寄附ふるさと納税」実行委員会の一員としての活動など、官民連携によるＳＤＧｓへの取り組みに注力してきた。こうした中、マーケットエンタープライズが知多市に提案し、双方の「リユース活動促進による循環型社会の形成を目指したい」というニーズが一致したため、「おいくら」を活用した今回の取り組みが実現した。

■「おいくら」とは

　「おいくら」は、マーケットエンタープライズが提供するリユースプラットフォームである。不要品を売りたい利用者が「おいくら」を通じて査定依頼をすると、全国の加盟リユースショップに一括で査定依頼が送られ、買取価格を比較できる。一度の依頼で複数の買取価格を確認し、売却できる利便性が評価され、これまで約１３０万人（２０２４年６月末時点）の利用実績がある。

■知多市の課題と「おいくら」による解決策

　知多市では、有料の事前申込による戸別収集や、西知多クリーンセンターへの自己搬入で粗大ごみを回収している。しかし、大型品や重量のあるものを自宅の外へ運び出す必要があり、「自宅の外への搬出が困難」という市民の声が寄せられていた。「おいくら」では、出張買取を希望すれば自宅内からの運び出しまで対応可能であり、大型品や重量物も容易に売却できる。また、市で回収していない冷蔵庫や洗濯機など家電リサイクル法対象製品も、使用可能であれば買取対象となる。不要品売却と受け渡しは、最短で依頼当日に完了することもできる。なお、市民のサービス利用に伴う市の費用負担はない。

■今後について

　２０２５年３月２５日（火）１５時３０分（公開時間は前後する可能性あり）に、知多市のホームページで「おいくら」の情報が掲載され、直接不要品の一括査定申し込みが可能となる。知多市と「おいくら」の連携により、二次流通の活性化による循環型社会の実現や不要品削減が期待されるとともに、自治体の廃棄物処理量や処理コストの削減にもつながる。この取り組みを通じて、市民が「廃棄ではなくリユースする」という選択肢を認識しやすくなり、多様化する不要品処分ニーズに応えることができる。さらに、市民のリユース意識の向上や循環型社会形成の促進にも寄与する。官民一体となった本取り組みにより、社会的・経済的課題の解決を目指していく。

■愛知県知多市

　知多市は、愛知県の知多半島北西部に位置する。西は伊勢湾に面して約１５キロメートルの海岸線を有し、臨海工業地帯として発電所や製油所が立地する一方、内陸部ではペコロスやフキなどの農業が盛んである。佐布里池の梅林や海水浴場「新舞子マリンパーク」などの観光資源、県内最古級の岡田簡易郵便局をはじめとする文化財も多く存在する。地形は平均してなだらかな平坦地で、四季を通じて温暖な気候に恵まれ、住みやすい土地柄である。名古屋市や中部国際空港へのアクセスも良好で、「ちょうどいいまち」として知られている。

・人口：８２，９３８人（男性４１，７６６人、女性４１，１７２人）（２０２５年３月１日）
・世帯数：３７，４０５世帯（２０２５年３月１日）
・面積：４５．９０平方キロメートル
（情報提供：日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部）