【株式評論家の視点】11日上場のスノーピークは国内アウトドア用品市場のシェア20%を目指す

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

■新規投資は中長期スタンスで

スノーピーク<7816>(東マ・売買単位100株)は、12月11日に東証マザーズに新規公開したニューフェイス。マネーゲーム化の様相を強めたが、中朝的な事業展望は明るく、業績は来期以降、期待される。このため下押した局面では丹念に拾い、業績に対する評価が高まるまで持続することが最良な投資策だろう。

同社は新潟県を地盤にしたアウトドア用品の製造・販売会社である。もともと金物屋からスタートし、その後キャンプ用品、登山用品の製造・販売へ事業を拡大。販売網は国内だけではなく米国や韓国、台湾にも進出した。現在、直営店として日本に7店舗、韓国に3店舗、米国に1店舗の合計11店舗がある。また、卸小売りのインストアは51店舗(日本46店舗、台湾5店舗)、ショップインショップは56店舗(日本38店舗、韓国18店舗)ある。

今後、店舗を増加させて販売力の一層の強化を図っていく方針だ。このほど実施した第三者割当増資と、公募による自己株式処分資金で設備投資(東京都昭島市に1店舗、台湾に2店舗の直営店を出店)や新規事業の製品開発、広告宣伝費、借金の返済にそれぞれ充当する。

2014年12月期の業績は売上高54億500万円(前期比21%増)、営業利益2億1300万円(同89%増)を確保する見通しだ。ただ、経費増加などで経常利益は2億円(同31%減)、当期純利益7000万円(同61%減)の減益を余儀なくされる。予想一株当たり利益は50円79銭で配当は年10円の意向である。

そして、注目すべきは今後、国内アウトドア用品市場のシェアを5年後の2019年に20%(2013年8.5%)の達成を目指すという。この背景には、前述したような販売網の拡充がある。さらに新規事業(フィールドスイート事業、アーバンアウトドア事業、アパレル事業)の育成にも取り組み、業績の向上を図っていく方針という。このため、業績は伸びていくことが予想され、来期以降は増収増益が期待される。

ただ、株価はそれを先取りしたカタチで暴騰。公開価格2300円に対して5460円まで買い進まれたのだ。これは、今期の予想一株当たり利益で計算したPERは約108倍となる。さすがに買われ過ぎの感が強く、その後、利食い売りが先行して15日には3485円へ約2000円の暴落を演じたのである。この亀裂で上値でシコリを作ってしまったのは確かで当面、5460円抜けは厳しいだろう。目先的な短期狙いの投資家は反騰する場面があったら、取りあえず売却することを薦めたい。

この株に対して新規投資を考えている投資家は、あくまでも中長期的なスタンスで臨むことがベストだ。来期以降の業績見通しがハッキリしてくれば、再度、本格的な上昇相場に突入する可能性があるとみられるからだ。(志木克己)

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