建設技術研究所や大林組など、BIM/CIM配筋モデル自動生成ツールに2次元図面の連動機能を追加する開発に着手、TerraDroneも新たに加わる

■3次元配筋モデルと2次元図面の同時生成で生産性を向上

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は、大林組<1802>(東証プライム)、八千代エンジニヤリング株式会社(東京都台東区)の3社で進めてきた、諸条件をパラメータとして入力することでBIM/CIM配筋モデルを自動生成するツールの研究開発に、Terra Drone(テラドローン)<278A>(東証グロース)を新たに加え、2次元図面を同時に自動生成・修正する機能追加の開発に着手した。大林組、建設技研、Terra Droneが3月27日午前発表した。

 4社は、本ツールの適用範囲を単ボックスカルバートのみでなく、2連ボックスやU型擁壁など他の構造物への適用を広げる予定。設計段階や施工段階のみならず、積算、維持管理に必要となる機能を実装することにより、各建設プロセスにわたって一元的に管理・連携するBIM/CIMの取り組みを推進する。これは、国土交通省が促進する建設業界の3次元設計の標準化を配筋情報まで具現化したツールとなる。また、顧客満足のさらなる向上と建設業界の生産性および品質の向上に寄与し、インフラ分野のDXを推進していく。

 土木事業ではBIM/CIMモデルの活用が進んでいるが、現状では発注者へ納品する2次元図面を作成した後に、BIM/CIMモデルを作成し、さらに2次元図面との整合を照査する必要がある。複雑な配筋モデルの構築には多大な時間を要することに加え、2次元図面とBIM/CIMモデル間の齟齬(そご)による手戻り作業が生じ、生産性を低下させる一要因となっていた。

 そこで4社は、BIM/CIM配筋モデル自動作成ツールをベースに、2次元図面を連動させて同時に作成・修正するツールの開発をスタートした。新機能の追加によりBIM/CIM配筋モデルの活用プロセスにおいて大幅な効率化を図る。

<開発内容の概要>

■BIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図の同時生成

 これまで開発したBIM/CIM配筋モデル自動生成ツールでは、BIM/CIM配筋モデルの自動生成が可能だったものの、2次元配筋図は手作業で別途作成する必要があった。BIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図の同時生成を可能にすることで、作成の手間と両者間の齟齬(そご)をなくし、設計品質および生産性の向上を図る。

■BIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図の連動

 現在はBIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図を別々に作成するため、計画に変更があった場合は両方をそれぞれ修正する必要がある。BIM/CIM配筋モデルと2次元配筋図が連動することにより、相互に修正内容が反映され、設計段階・施工段階でのミスや手戻りを防止する。

■鉄筋数量表、鉄筋加工図の自動生成

 自動生成したBIM/CIM配筋モデルから鉄筋数量表と鉄筋加工図を自動で作成し、2次元配筋図作成に必要な作業の大幅削減を目指す。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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