サイバートラストと弁護士ドットコム、量子耐性暗号技術の検証開始

■量子コンピュータの脅威に備えた暗号技術の技術検証を推進

 サイバートラスト<4498>(東証グロース)は3月28日、弁護士ドットコム<6027>(東証グロース)と協力し、量子コンピュータの普及によって懸念される既存暗号の脆弱化リスクに対応するため、耐量子計算機暗号(PQC)を活用した電子契約の技術検証を開始したと発表。弁護士ドットコムの電子契約サービス「クラウドサイン」とサイバートラストの「iTrust 電子署名用証明書」などを連携させ、PQCの実装可能性を評価する。量子コンピュータの進化に伴い、現在の公開鍵暗号の安全性が損なわれる可能性が指摘されており、両社は新技術の実用化に向けて共同で検証を進める。

 弁護士ドットコムは日本を代表する電子契約サービス提供企業であり、サイバートラストは電子証明書分野で高い専門性を有している。両社の協力により、量子耐性を備えた暗号技術の有効性を検証し、将来の電子契約市場における安全性と信頼性を担保することが目的である。国際的な暗号標準化の動向を注視しながら、技術検証を推進していく。

 量子コンピュータは既存の暗号技術を短時間で解読する能力を持つとされている。これに対処するため、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)はPQCの標準化を進めている。サイバートラストはNISTが選定した3つのPQC暗号方式に対応する実証を完了しており、その技術を活用して電子契約システムのセキュリティを強化する方針である。

 今回の技術検証を通じて、PQCの導入に必要な要件や運用課題を明確化し、量子コンピュータ時代における電子契約の安全性を向上させる。両社は今後も協力を強化し、より安全で信頼性の高い電子契約サービスの提供を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る