サイバートラストと弁護士ドットコム、量子耐性暗号技術の検証開始
- 2025/3/31 08:02
- IR企業情報

■量子コンピュータの脅威に備えた暗号技術の技術検証を推進
サイバートラスト<4498>(東証グロース)は3月28日、弁護士ドットコム<6027>(東証グロース)と協力し、量子コンピュータの普及によって懸念される既存暗号の脆弱化リスクに対応するため、耐量子計算機暗号(PQC)を活用した電子契約の技術検証を開始したと発表。弁護士ドットコムの電子契約サービス「クラウドサイン」とサイバートラストの「iTrust 電子署名用証明書」などを連携させ、PQCの実装可能性を評価する。量子コンピュータの進化に伴い、現在の公開鍵暗号の安全性が損なわれる可能性が指摘されており、両社は新技術の実用化に向けて共同で検証を進める。
弁護士ドットコムは日本を代表する電子契約サービス提供企業であり、サイバートラストは電子証明書分野で高い専門性を有している。両社の協力により、量子耐性を備えた暗号技術の有効性を検証し、将来の電子契約市場における安全性と信頼性を担保することが目的である。国際的な暗号標準化の動向を注視しながら、技術検証を推進していく。
量子コンピュータは既存の暗号技術を短時間で解読する能力を持つとされている。これに対処するため、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)はPQCの標準化を進めている。サイバートラストはNISTが選定した3つのPQC暗号方式に対応する実証を完了しており、その技術を活用して電子契約システムのセキュリティを強化する方針である。
今回の技術検証を通じて、PQCの導入に必要な要件や運用課題を明確化し、量子コンピュータ時代における電子契約の安全性を向上させる。両社は今後も協力を強化し、より安全で信頼性の高い電子契約サービスの提供を目指していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)