
■黒カビ由来の低分子化合物、全コホートで安全性と忍容性を確認
ティムス<4891>(東証グロース)は4月8日、急性腎障害等を対象疾患として開発中の新薬候補TMS-008について、第1相臨床試験の最初のデータリードアウトを実施し、良好な安全性・忍容性が確認されたと発表。同試験は、TMS-008を世界で初めて人に投与するFirst in Human試験である。健常な成人男性を対象に、5つのコホートで段階的に用量を引き上げながら単回静脈内投与を行った結果、全てのコホートにおいて安全性・忍容性が示され、薬物動態等の解析においても目標を達成した。
TMS-008は、黒カビ由来のSMTP(Stachybotrys microspora triprenyl phenol)化合物ファミリーに属する低分子化合物で、可溶性エポキシドハイドロラーゼ阻害に基づく抗炎症作用及び抗酸化作用を持つ。急性腎障害は数時間から数日の間に腎機能が急激に低下する疾患だが、現在まで承認された治療薬は存在しない。冠動脈バイパス手術または心臓弁手術を受けた患者の43%に急性腎障害が発症し、その患者の30日以内死亡率は20%に達するという報告もあり、有効な治療薬に対する大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在する。
ティムスは、アンメット・メディカル・ニーズの克服を目指すバイオ医薬品企業である。リードパイプラインのTMS-007(JX10)は、急性期脳梗塞治療薬として前期第Ⅱ相臨床試験で有効性と安全性を示している。同社は他にも、治療抵抗性または制御不能な高血圧、急性腎障害、脊髄損傷といった未解決の医療ニーズの大きい疾患に対する治療薬パイプラインを保有している。同社はアカデミアの発見を世界の医薬品市場につなげる架け橋となることを目指し、日本の主要学術機関とのパートナーシップを活用して新たなパイプラインの探索を続けている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)