【どう見るこの株】理研ビタミンは価格改定で決算発表に期待して年初来安値から続伸

■テクニカル分析でも上昇トレンド示唆

 理研ビタミン<4526>(東証プライム)は、前日9日に3円高の2375円と4月7日に売られた年初来安値2204円から続伸し、日経平均株価が、1298円安と大幅反落するなか数少ない逆行高する銘柄の一角を占めた。同社株は、今年5月14日に3月期決算の発表を予定しているが、目下集計作業中の2025年3月期業績が上方修正されたのに次ぎ、2026年3月期業績も、今年7月1日納品分から業務用食品の一部価格改定を予定していることから続伸が有力として割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年3月27日につけた年初来高値2486円から同安値2204円への調整幅の半値戻しをクリアしており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」期待につながっている。

■7月に業務用食品92品目を値上げし政策保有株縮減も継続

 同社の2025年3月期業績は、今年3月に期初予想が上方修正され売り上げ956億円(前期比4.5%増)、営業利益88億円(同6.1%減)、経常利益96億円(同6.8%減)、純利益89億円(同1.6%増)と見込んだ。国内食品事業の売り上げが堅調に推移し原材料価格の上昇がマイナスに働いたが、海外事業が好調に推移し、政策保有株縮減で投資有価証券売却益16億1300万円を計上することなどが要因となった。続く2026年3月期業績の動向は、5月14日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければ明らかにならないが、原材料価格や物流費上昇のコスト増を吸収するため7月1日納品分から業務用食品のドレッシングなど92品の価格を改定し、さらに政策保有株の縮減も、連結純資産に占める比率を20%以下にすることを通過点にさらに進めることなどから続伸が有力となる。

 配当は、連結配当性向を30%以上とする配当政策に基づき2025年3月期に年間88円(2024年3月期実績81円)へ連続増配したが、2026年3月期配当も、製品値上げ効果や政策保有株の縮減次第では連続増配などなお高水準で推移する可能性も残る。

■PER8倍、PBR0.9倍の割安修正で「半値脅しは全値戻し」を加速

 株価は、昨年7月につけた昨年来高値2879円からその後発表した四半期業績が増収減益で着地したことで下値を探り、今年1月には2306円と売られ、今期業績の上方修正と増配の発表とともに出直る動きを強め5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆し、期末の配当権利取りで年初来高値2486円まで上値を伸ばした。足元では世界同時株安に巻き込まれて窓を開けて年初来安値2204円へ急落し、売られ過ぎとして窓埋め途上で年初来高値から年初来安値への調整幅の半値戻しを達成した。2025年3月期推定ベースのPERは8.1倍、PBRは0.94倍となお下げ過ぎを示唆しており、「半値戻しは全値戻し」を加速し年初来高値2486円へ直行しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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